第232話 ページ38
兵部side
女王達の解放された力を見た。
それは凄く大きな光の柱で神々しかった。
ギリアム「動くな。動くとそいつらを起爆する」
だが、こっちの事態はあまり良くない。ギリアムと戦闘になり、僕の周りには子供のクローンエスパーがくっついている。この距離で爆死されたら厳しいな。
兵部「調子に乗るな。エスパーの子供が殺されるのは許せないが__引き換えにお前を始末できるなら目を瞑ってもいいんだ」
ギリアム「無理だな。君は口で言うほどこの世界を憎んでない。守りたいものが多すぎる。ただの甘ちゃんだ」
ギリアムにそう言われる。そして話が続く。
自分がどれだけ世界を憎んでいるかの話だった。
どうでもいい。
ギリアム「超能力を持つ物も持たざる者もみんな死ねばいい」
困ったヤツだな...。
ギリアム「ただ、妖精女王は別だ。あの子は全てにおいて超越している」
兵部「なんで、ここであの子が出てくるんだ」
こいつの口からAの話が出るのにイライラする。
ギリアム「彼女は理想だよ。彼女だけは新しい世界を見るのに適している」
兵部「Aが理想ね...。ま、わからなくないか」
バンッ
兵部「くっ」
ギリアム「お前如きが彼女の名前を呼ぶな！」
ギリアムに肩を撃たれる。
ギリアム「まあ、いい。今から面白いことを始めるからな。誰が生き残って世界を変えるのかはっきりさせよう。資格がないもの達を綺麗に浄化するんだ」
兵部「なに？」
ギリアム「この一帯を焼き払って最後に立っていたものが勝者だ」
この男はここに爆弾を落とす気らしい。
兵部「この中には妖精女王もいるけどいいのか？」
ギリアム「彼女が死ぬわけがないだろ？」
いや、普通に考えたら死ぬだろ。Aを不死身かなんかだと思ってるのか。
ヒュ パ ど、げしっ
...空から皆本がギリアムの上に降ってきた。
ギリアム「お前は！！」
兵部「皆本！？」
皆本「兵部！！」
ギリアム「バ、バカにする気か兵部！！」
いや、僕じゃない。
ジャキ
皆本「え！？」
ギリアムが皆本に銃を向ける。
兵部「おい！やめろ！！」
ド ン
クローンを振り払い、ギリアムの肩を撃つ。
ちっ！何をやってるんだ。僕は...！？
皆本が撃たれたからと言ってなんだと言うんだ！！
ギリアムの前で1度死んだ時も、いつもの気まぐれだった。自分より哀れなヤツへの同情。
コイツが死ねば世界から害悪が確実に減る。なのに...僕は今何故、頭を打たなかった。
何故僕は今躊躇っているんだ。
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作者名：ちか | 作成日時：2021年4月10日 7時
