無自覚イケメンは救済する【東リベ】

３９話 ページ42

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「あ、Aにぃも来てたんだ。やっほー！」



『おお、エマ。お前んなとこ来たら危ねぇぞ？』



「大丈夫だよ、みんなマイキーの妹だって知ってて手なんか出せないし」





それもそうか、手を出せば万次郎どころか堅も出てくるだろう。そんな命知らずがここにいるとは思わない。



階段の上で隊員を見下げる万次郎を見た。デカくなったなぁ、と少し嬉しくさえ思う。





「…Aにぃ、あのさ、今度うちと一緒に遊びに行かない？」





服の裾を引っ張って、少しだけ震えた声で言う。暗くて顔はよく見えないが何となくその先は想像できた。





『堅とか誘わなくていいのか？』



「やだ。うち、Aにぃと二人で行きたい」





そうやって言うエマの頭を優しく撫でた。いいよ、と言えば嬉しそうに笑う。


最近万次郎が構ってくれなくて寂しいのだろう。偶にはこういうのもいいか、と空いてそうな日を探した。行くとしたら澁谷とかだろうか。




集会が終わったのか、万次郎たちがぞろぞろとこちらにやって来た。機嫌の良い俺たちに、なんかあったのかと問う。俺たちは顔を見合わせ笑った。





『お前らにはヒミツ。これは俺とエマだけの約束だからな』





そうやって笑えば、みんなはぴしりと固まってしまった。どうしたお前ら。

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