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「ん〜!このチーズやっぱ美味い!」
時刻は午後11時57分。
あと3分で宮田の誕生日だ。
「うん、俺もこれ好き。」
ここのところ俺の映画・ドラマ撮影、宮田のアニメ関連の仕事、舞祭組単体での仕事の増加でなかなか2人の時間が作れなかった。
宮田は気張って一発ギャグとかするとスベることが多いけど、頭の回転が速いしノリもいいから話は面白い。
それに元々の優男気質もあって、仕事で知り合った方と打ち解けるのは得意らしい。
特にアニメ関連の仕事で出会った方とは懇意な間柄になることが多いらしく、暇さえあれば食事やイベントに行っているようだ。
俺は根っからの人見知りだから、共演者と親しくなることなんてほとんどない。
だから、宮田のプライベートが充実すればするほど、宮田が遠くに行ってしまうみたいで怖かった。
でもその不安も、ユニット曲を2人で作り上げていく中で自然と消えていった。
話し合いを重ねる度に、俺が宮田のことを想うのと同じくらい、宮田も俺のことを想ってくれてるってしっかり感じ取れた。
曲名を考えるのも、曲中の台詞も、コンサートでの演出も、宮田とじゃなきゃできなかったしやりたくなかった。
それは宮田も同じだと思う。
でも、当たり前だけどその場にはスタッフさんもいて、2人だけのゆっくり過ごせる時間っていうのは今日まで取れなかった。
その分こうしてすぐ隣に宮田がいるのはすごく幸せだって思えるし、そう思う度にやっぱり俺はこいつのこと好きなんだなって再確認する。
笑うと三日月みたいに細くなる目、ほうれい線のしわ、おっきな鼻、とろけるように甘い声、髪を耳にかけた時の横顔、お人好しなところ、でも実は腹黒いところ、常識があるところ、いつもニコニコしてるところ、頭が良く回るところ、汗かきなところ、焦ると落ち着きがなくなるところだって、全部全部好きだなって思える。
時計を見ればあと10秒で日付が変わる時間になっていた。
隣の彼は相変わらず、ワインをちびちびと飲みながらお気に入りのつまみに手を伸ばしている。
いいところも悪いところも全て受け入れられる気がするのはそれが宮田だからで。
好きなところを一つひとつ思い起こしてみたら、突然愛しさが抑えきれなくなったから。
「みやた」
「ん?」
「いや……としく、ん」
「どうしたの?」
壁掛け時計の長針と短針がスローモーションで重なる。
それに合わせるように、俺も自分の唇を宮田のそれにゆっくりと重ねた。
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ぴの(プロフ) - ともさん» ともさんコメントありがとうございます♪リクエスト書く書く詐欺しててすみません…(*_*)キュンキュンしていただけて嬉しいです(o^^o) (2015年9月18日 22時) (レス) id: 49e2fd9611 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 更新有難うございます!ぴのさんの付き合ってる宮玉、ものすごくキュンキュンちゃいました! (2015年9月17日 2時) (レス) id: 25d89dbc40 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - ゆう☆さんコメントありがとうございます♪ハッピーバースデーですね(o^^o)間に合って良かったです笑 がっつりエロは私には書けないので雰囲気だけ…笑 リアルの宮田くんもたまちゃんと素敵な1日のはじまりを迎えたことでしょうね(*´艸`*) (2015年9月14日 8時) (レス) id: 49e2fd9611 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう☆(プロフ) - ハッピーバースデー♪♪ 宮田君が産まれてきてくれて、玉ちゃんと挙式をあげるまでに(((o(*゚▽゚*)o)))幸せな初夜?覗けて幸せです。 (2015年9月14日 7時) (レス) id: 2e911b5fb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴの | 作成日時:2015年9月14日 7時