▼私と貴方の楔 乱凪砂 ※みな様リクエスト ページ20
それはまるで切っても切れない楽園の園の鎖で､私と貴方は一つになるみたいに絡まりあって抜け出せない｡棘の生えた鎖が肌に直接食い込んで､身動きすら許されなくて｡
痛くて､異質な｡
重くて､耐えられないような｡
でも､その鎖から与えられる甘い毒のおかげで､私達はやっと地上を生きていられるの｡
▽△▽
｢A｡今日のライブ､見ていてくれた？｣
『勿論だよ｡凪砂くんだけを見てた』
そう言って抱きつけば､嬉しそうに回される腕｡
ありがとう､と愛おしげに頬ずりされる感覚が気持ちいい｡貴方の気持ちと私の気持ち｡熱く熱く燃え滾って､お互いに共有されるこの時間｡私はこの時間が堪らなく好きだ｡離し難くて､離して欲しくない｡私が凪砂くんを愛していて､凪砂くんが私を愛してくれているこの時間｡止めてしまいたくて｡閉じ込めてしまいたくて｡ずっとこの熱くて美しい愛の鳥籠の中で居たいの｡
貴方と私さえ居ればいい｡
『すごく､格好良かった』
貴方が
愛のために一緒に堕ちた､貴方と居なくては｡
｢君が見ていてくれたならそれで良い｡私も､頑張った甲斐があった｣
美しく微笑んだ貴方が愛おしい｡どうか私をずっと愛して､ずっと捕らえておいて｡貴方以外知らなくて良いの｡他の男の子なんてどうでもいい｡
私にとって貴方が一番で､貴方が正義で｡貴方の善悪を私に教えて頂戴｡貴方にも分からないのかもしれないけれど､それが正しい事かそうでない事かなんて貴方の気分次第で構わないの｡貴方に全部捧げる｡貴方だけを信じているから｡貴方が嫌な事は絶対しない｡
逆に､貴方の好きな事はいっぱいしてあげる｡
『凪砂くん､大好き』
大好き過ぎて頭がどうにかなってしまいそう｡貴方と出会わなかったこの十数年､私はどうやってこの息苦しい地上を生き延びてきたんだろうか｡
私は凪砂くんから逃げられない｡二人を縛る楔があるから｡私は凪砂くんから逃げたくない｡その楔がどれだけ甘やかなモノなのかを知っているから｡
｢私も､愛してるよ｣
味を知ったらもう虜｡禁断の果実は甘いのだもの｡
禁じられているからこそ､欲してしまって｡
齧って､飲み込んでしまって｡
口に入れたら､愛を知ったら｡
ただ､堕ちていくしかない｡
▼君を姫にしてやらない 月永レオ→←▼そんな君を知りたくなかった 七種茨
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春永詩帆(プロフ) - 最高です、素晴らしい作品をありがとうございます。 (2021年12月31日 23時) (
レス) @page28 id: 46695abdda (このIDを非表示/違反報告)
素敵帽子(プロフ) - 藍原春陽さん» 申し訳ありません！只今修正致しました。不甲斐なくもたった今気付きました……。ご指摘ありがとうございます！ (2020年11月28日 23時) (レス) id: 9398c4b575 (このIDを非表示/違反報告)
藍原春陽(プロフ) - 全部の話がきらきらしていてとても好きです。ひとつだけ、本文中で凪砂が凪紗になっていることが気になりました。できれば訂正お願いします。これからも頑張ってください。 (2020年11月28日 0時) (レス) id: b2c9d88620 (このIDを非表示/違反報告)
素敵帽子(プロフ) - のんさん» ありがとうございます！嬉しいです (2020年8月15日 12時) (レス) id: 3919641d26 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 応援してます (2020年5月30日 1時) (レス) id: b1f19877ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：素敵帽子 | 作成日時：2019年8月18日 12時
