好きだから食べてしまいました ページ5
同業者の飲み会に呼ばれ、その中に憧れの斎藤さんが居るって聞いたから迷わず返事をしてしまった。
ただ、そのメンバーがお酒が強い人達だらけということをあとから聞いて……。
「Aちゃん?!次何飲むー?」
一緒に来ていた先輩がお酒の銘柄が沢山書いてある紙を見せてくる。
「せ、せんぱい……わたしそんなにたくさん飲めませんよ。」
「あれ、そうだっけ?じゃあ優しいお酒一緒に飲もーよ。」
そう言って先輩は新しいお酒を頼む。
私とは対角の席に斎藤さんは座っていた。仲のいい人達とビールを飲みながら談笑している。
その笑顔が素敵すぎてそれだけで酔いが回りそうになる。
ああ、やっぱりすきだなぁ……
そんなことを思っていると目の前に日本酒の入ったお猪口が置かれた。
「え、日本酒?」
「そう!これ飲みやすいし優しいからおすすめ!」
一口飲んで見ると果物みたいな風味がして言われた通り飲みやすかった。
「ほんとだ……飲みやすい……。」
「でしょ?美味しいよねー、こんな感じのなら好き?どんどん飲もー!」
と、乗せられ……
気がついた時には本当に視界がグラグラ揺れるほど飲んでしまっていた。
「せん、ぱい……これは……」
「嘘、そんなに弱かった?大丈夫?」
「Aさん大丈夫?水飲む?」
右の方から心地の良い声が聞こえる。
「斎藤くん、ありがとう。」
声の方に顔を上げると、心配そうな顔をした斎藤さんがグラスを持って隣に座っていた。
「あ、りがとうございます。」
斎藤さんからグラスを受け取ると1口飲む。少しひんやりとしていてドクドクと脈打つ心臓が少しだけ落ち着いた。
「藤田さん飲ませすぎですよ。僕あっちから見てましたけど結構ハイペースでしたよ。」
「ほんと?お酒弱い子だと思わなくて、ごめんねAちゃん。」
「僕Aさん連れてくんで藤田さんはいつもの人達お願いしていいですか?
もう僕これ以上飲めないんで。」
先輩はほんとごめんね、と言うと斎藤さんが座っていた席に移動していった。
「藤田さんたちまだ飲むと思うから。
俺もう帰るけど一緒に出る?Aさんここにいるとまだまだ飲ませられると思うし……。」
斎藤さんの言葉にこくこくと首を縦に振るしか出来なかった。
よっ、という声と共に私の腕を引き上げ立たせてくれた。
歩ける?と優しく声をかけてくれたり支えてくれたりほんとにいい人だなぁと思う。
ほんとに酔っていてみっともない……。
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時