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「ごめんなさ、い私……」

「Aちゃん落ち着いて。
聞きたいことあるから落ち着いたら教えて。」

目を手で隠して「あーーー。」と小さな声で呟く。



「で、どうしてあんなことしたの?」


「斎藤さんを癒してあげたかっただけなんです。」

「癒されるどころか驚きすぎて心臓止まるかと思ったよ。
どういうわけでこうなったの?」


怒ってる訳でもないけど笑ってる訳でもない。静かな声の斎藤さんに不安が湧き上がってくる。

「鈴木さんと田淵さんに、斎藤さんが好きな物とか欲しがってるものを聞きに行ったんです。」

「なんで?」

「斎藤さんいつもお仕事頑張ってるし、何かしたいって思って。」

いつきたの?と聞かれ、斎藤さんがラジオの収録に行ってる時です。と答えるとあー、何となくいつだったかわかるわ、とため息をついた。


「そ、そしたら、鈴木さんがその……宏介は胸が好きだよ、と……。」
「は?!」
「よくラジオでも胸の話良くするし、斎藤は胸で癒されるよ、って言われました。」

まって、としどろもどろになり始める斎藤さん。

「田淵と貴雄のあのにやけた顔はそういう事だったのね。まって、Aちゃん違うから。それは大きな誤解だから。」

たかおーたぶちー、と振り絞るような声で呟く彼。

「あの、好きじゃなかったですか……?」
ここまで恥ずかしい思いをして、違うとかだったら今度こそ本当に消えちゃいたい。


「好きじゃない……ことないけど……。
いつもふざけて揉むとか言ってるよ、たしかに。
けどそれはバラエティ心というか、」

何言ってんだ俺、と髪をくしゃくしゃにする。

「さっきも言ったけど俺はAちゃんがこうやって来てくれるだけで癒し効果充分に発揮してるから安心して?大胆なAちゃんもいいと思うけどいつものAちゃんが好き。」

困ったように笑いながら前髪を指ではらう。さっきまでの恥ずかしい気持ちがだんだんほぐれていく。

「と、言ったところでですね。」

ひとつ咳払いをして斎藤さんは私に腕を広げるように言う。

多分抱きついてくるんだろうな、と少しドキっとしてしまう。

ゆっくり斎藤さんが近づいてきて、いつもみたいに首元に顔を埋めるように抱きしめてくれるのを待っていた。

でも予想とは違い、斎藤さんは私の胸に顔を埋めるように抱きついてきた。

「え、え?えぇ!?」

「やっぱ俺も男ですから、今日くらい許して。」


【だって男ですから】


ユニゾンTVの斎藤さんが好きすぎて……

低体温を抱きしめる朝→←.



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設定タグ:UNISONSQUAREGARDEN , 斎藤宏介 , 邦ロック   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時

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