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「だって、なんかわかってる風だし。
私は斎藤に今まで恋愛の相談事してたけど斎藤からはほとんど聞かないし。
よっぽど遊んでるか、被害にあったか……。」
「どっちも違うわ!」
はあ、っとため息をついてちらりと私を見ると、癖のようにまた目線を流して話し始める。
「俺はびっくりするほど一途ですけど。」
「……そうなんだ。」
「何年も同じ人のこと好きだし、ずっとその人のそばに居ますけど。」
「……ちゃんとしてるね。」
彼氏がこんな人だったらこんなことにならなかったな、なんてさっきから私はたらればばかりだ。
彼を失った辛さと、長年かけて育ててきた愛情が全て無駄になってしまったという虚しさにまた胸がぎゅっと掴まれる感覚に陥る。
ああ、わたし傷ついてるんだ。
「……今こんなこと言うもんじゃないと思うんだけどさ、」
さっきよりも小さな声の斎藤。
ん?と聞き返すとはぁ、と小さなため息をついた。
「俺、Aの彼氏が離れてくれて良かった、って思ってる。」
「なにそ、れ。どうして?」
「ずっと想ってた人にようやく好き、って伝えられそうだから。」
「……え?」
言葉の意味が理解出来ない。
「Aからしたらどうでもいいことかもしれないし、今それどころじゃないかもしれない。
けど俺は今スタートラインに立てたばっかりだから。」
残り少ないアイスコーヒーを飲み干すとふう、と一息つく。
彼の長く華奢な指がグラスについた水滴を拭う。
「今は無理でも絶対に隣で笑わせてみせるから覚悟しといて。」
片方の口角だけを上げて照れくさそうに笑う彼は、私の知ってる斎藤じゃなく、完全な男の人だ。
【傷口にメイプルシロップ】
(じんわり痛むけど、甘すぎて失神しそう。)
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タイトルからお話の内容考えたけど
意味わからん。
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裕(プロフ) - 夕凪さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉に励まされました。夕凪様の小説も読ませて頂きたいと思います。そして続編、少しずつですが書いていこうと思いますのでまたよろしくお願いします。 (2020年4月8日 18時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
夕凪(プロフ) - はじめまして、こんにちは。小説通して、とても楽しませて頂きました。わたしも勝手ながら夢小説を書いているのですが、情景・心理描写など参考になる部分が多々ありました。ひとときの夢をありがとうございます。もし可能でしたら…続きを楽しみにしています。 (2020年4月8日 14時) (レス) id: e6f9b067c6 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 零さん» コメントありがとうございます!私の中の斎藤さんイメージで書いているので自身は楽しく書かせていただいております。楽しんで頂けてとても嬉しいです。これからも頑張ります! (2020年4月2日 20時) (レス) id: af8940d8bd (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 第一話から拝見させて頂いてます。色っぽくてドキドキする展開にいつもときめいており、更新されてるとわくわくしながら読んでいる自分がいます。これからも応援させて頂きます、頑張ってください! (2020年4月2日 19時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:裕 悠 | 作成日時:2020年3月27日 11時