狗巻くんが大好きな女の子のお話 (ページ17)

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『……あの2人、仲良さそうだね』

虎杖｢狗巻先輩と禪院先輩？…まぁ悪そうには見えないっすね｣

まぁ、実際2年は皆仲良いけどね。
なんか、こう……そういうんじゃなくて、

『……楽しそう。
この距離でもわかるよ。真希も狗巻くんも楽しそうに話してる』

狗巻くんのあんな表情、あんまり見た事ないや。
……私に向けては、決して。

『……私さ、今日どんな顔で狗巻くんに会えばいいのかわかんないんだよね。』

前みたいなテンションで会うなんて、絶対無理。

狗巻くんには、多分…いや、絶対嫌われてるもん。
…無理だよ、そんなの。

虎杖｢…多分、いつも通りでいいんじゃねーの？
狗巻先輩…のことは、まだよかわかんねぇけど、優しい人だとは知ってるし。A先輩のことは嫌ってないと思うよ｣

『……口に出てた？
ﾊﾊ､確かに狗巻くんって、人を嫌ったらりしなさそうだよね。』

だからこそ………嫌われたと思ってるから、しんどいのだ。

虎杖｢何があったか詳しいことは知らないけどさ、気まずいままでいたら、先輩が後悔するよ。｣

そう言った虎杖くんの表情は、真面目でまっすぐだった。

『…ありがとう、悠仁。』

背伸びして、頭を撫でたら｢どーいたしまして！｣と笑ってくれた。1年生は、可愛いね。

『好きな飲み物奢ってあげるよ。ほら、選んで』

虎杖｢いいんすか！？やったー！じゃあこれ！｣

そう言って指さしたやつの自動販売機にお金を入れた。

虎杖｢ありがとうございます！A先輩！｣

『いえいえ、こちらこそ。悠仁も頑張ってね』

虎杖｢はい！……て、やべぇ！！！早く行かねぇと伏黒と釘崎殴られる！！ってことで、俺行きます！！先輩、頑張って！｣

そう言い、手を振って行ってしまった。
1年で出かけるのかな？恵はちゃんとついて行ってあげるんだね。ﾌﾌ

『……私も、行かなくちゃね』

もう、あの二人の姿はなかった。
きっと、もう、教室に言ったんだろう。