好きをあなたに

名脇役 *K ページ10

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リアル




F「ね、歌ってほしいのがあるんだけど」




ソファーでくつろいでいると、
俺のギターを手にリビングにきた藤ヶ谷が
唐突に言い出した。




K「んー、なんの曲？
ってかそんなこと言うの珍しいな。」


F「名脇役。なんとなく、ね」


K「マリウスのとこのね。いい歌だよなぁ」





そう言いながらギターを手に取ると、
邪魔にならないように横に座り、体をこちらに向ける藤ヶ谷。




K「コード譜、ある？さすがに見ないと弾けねえ」


F「あ、うん、待って」




差し出された画面を見ながらギターに手をかけた。







F「ん、ありがと」


K「おー、お粗末様でした
でもなんでまたこんな唐突に」


F「ほら、Jr.の子が歌ってるの聞いてさ。
マリにも前にいい曲だって聞いてたから、
どうしても北山の声で聴きたくなって」


K「俺の声ったって変わんねえだろ？」


F「そんなことないよ。北山の声は特別」





言いながら俺の手からギターを取り上げて床に置くと、喉元に綺麗な指を沿わせる藤ヶ谷。
くすぐったくて身を捩ると、そのままソファーに押し倒された。





K「ふじがや、、？」


F「北山が俺のものになってよかった
名脇役のまま終わらなくて」





指を絡めながら微笑むけど、それは俺の台詞。





歌ってて気付いたんだ。
これはきっと昔の俺なんだって。
こうなれていなかったら、俺はずっと藤ヶ谷を想って苦しんでいたのだろう。




藤ヶ谷も同じことを考えていたことが少し気恥ずかしくて、でも嬉しくて愛おしくて、
絡めた手を引っ張ってその唇にキスをした。




――――――――――――――――――――――


昔のFKさんの関係性ってこんな感じでは、、？


Jr.が好きな方ならこの夏一度は聞いたことがあるはずの名曲。
オリジナルもいろんなカバーも全部素敵です。


北山さんの声でこの曲が聴きたいというただの願望。

1番好き→←言葉よりも *F

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