Let's make it another great year! *3 ページ23
.
しばらく眺めているとようやく顔を上げた北山と目が合う。思わずその赤くなった鼻を摘む俺を、小さく首を傾げて見上げる北山は本当に年男なのかと疑うほど幼く映る。
K「ふじがや?」
あぁ、そうやって舌足らずに俺の名前を呼ぶところも。
年明け早々にこんな北山を独り占めしている実感がじわじわと体を侵食していく。
F「…はぁ…かわいい」
気付けば声に出ていた言葉に、北山の顔が別の赤みを帯びていく。
K「っ!そんな急にっ…!」
F「急じゃないよ、かわいいんだから」
そう言うとよっぽど恥ずかしいのか、未だに鼻を摘んだままの俺の手から逃れるように動く北山。
30歳を超えた男が2人。
深夜の神社で向かい合って何をしているのだろう。
せっかく初詣をしたのに、神様に怒られて願い事を叶えてもらえないのではないか。
それは困る、と思い鼻から外した手で今度は北山の手を握る。
K「っ!外!」
ぷりぷりと怒っている様子で手をぶんぶん振り回す北山だが、その力は弱く、本気ではないことなんてお見通しだ。
F「もぅ、せっかく2人で過ごす年明けなんだし、もう少し静かにしてよ」
K「だったらこんなことするなっ!」
F「んー、それは無理かな。こんなこと今度はいつできるかわからないし、堪能させて?」
時間と場所を気にして小声で怒っていた北山だが、思うことは同じなのか口を尖らせたままでも俺の手を握り返してくれた。
F「はは、今年の北山は素直だね?」
K「うるさい…今日は特別だから」
F「ねぇ、北山」
かわいい北山の耳元に唇を寄せて、こっそりと囁く。
F「帰ったら…姫始めしようね」
K「〜っっ!!ばか!!!」
思わず大声を出してしまい慌てて口を塞ぐ北山に、にやけてしまう。
そのまま俺の手を引いてずんずんと歩くが、赤い顔を隠すようにマフラーに半分埋まっているのがまたかわいい。
K「うぅ、ほんっと最低…」
ぶつぶつ呟くけど、きっと北山も嫌じゃないんでしょ?
そんな君を今年もたくさん愛させてね。
――――――――――――――――――――――――
あけましておめでとうございます
今年もどうぞよろしくお願い致します!
FKさんにはぜひこんなお正月を過ごしていただきたいですね!
今年も君と→←Let's make it another great year! *2
507人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なこ(プロフ) - あこさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉、、私の中の根本はKさんかわいく、Fさんがかっこいいなので、そう思ってくださってすごく嬉しいです! (2021年7月28日 17時) (レス) id: 9cb1f5d1b0 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - どのお話のFKもKさんがかわいくてFさんがかっこよくて読んでる間ずっとしあわせでした。。これからもなこさんのFKをもっと読ませていただきたいです!次の更新も楽しみにしております!!!! (2021年7月28日 11時) (レス) id: 62cdbec8f3 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - aaaさん» コメントありがとうございます!そうなんです…私の中でのFさんはすごく計画的サプライズの達人なんですよね…!それに対する鈍感Kさんがまたかわいい、って思っちゃいますよね。 (2021年1月9日 10時) (レス) id: 9cb1f5d1b0 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - うわぁ…引っ越す区まで考えてのサプライズとプロポーズ、素敵ですね。区?って一緒にKくんとぽかん?ってなった後じわじわ喜びが込み上げてきました。甘いFKさん大好物です。更新楽しみです! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なこ | 作成日時:2020年10月18日 16時