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luz side
「あーあ、バレちゃったぁ・・・」
そう呟くと、顔を上げた美優奈。
「そーだよ!美優奈いじめられてなんかなかったよ!むしろAさんを虐めてた方!」
「は?」
その言葉に驚きが隠せない。
「みんなAさんの方ばっか見るんだもん!Aさん性格上誰にも相談とかしないだろうなって思っていじめたの!」
彼女は、嬉々とした表情で話を続ける。
「でも、思ったよりAさん我慢強くて、全然なき音上げないから、美優奈が虐められてるってことにしてみんなの方から遠ざけるようにしたんだぁ!」
「なに、それ。」
絶望したような瞳で彼女に話しかけるまふ。
「そしたらみんな信じちゃって!」
あ、3人だけは気づいてたみたいだけどね、と俺とあらき、なるせを指さしてそう言った。
「ここだけの話ね、Aさん死んだのも私が仕組んだことなんだよ!」
時が、止まった気がした。
「私の知り合いに頼んでね、殺してもらったの!」
なんで、なんでそんなこと出来るん。こいつほんとに人か?
「なんで、」
「なんでって、そりゃあ邪魔だったからだよ!Aさん殺しちゃえば3人もこっち来るかもって思って!」
なのに思ったより意思硬かったからさ、と言いながら彼女は毛先をクルクル指にまきつける。
そんな理由で?
「っ、ふざけんな!!」
気づいたら、美優奈に掴みかかってた。
「なんで、なんでっ!!」
「やだ、こわぁい!」
まるで語尾にハートを付けるような声を出す彼女。
「姉ちゃんは、いっつも自分のことは後回しで、俺の事を1番に考えてた!俺だけじゃない、みんなのことだって優先してた!」
俺の目から落ちる涙が彼女の服を濡らす。
「お前みたいなクズに殺されてもいい人間じゃないんや!!」
「そんなこと言われたってもう殺しちゃったし。」
残酷な言葉を平然と言うこの女に激しい怒りとともに恐怖を抱いた。
なんでこんな残酷な事が出来るん。
「返せっ、姉ちゃんを、俺の姉ちゃんを返せっ!!!」
勢いよく振り上げた拳を、彼女に向かって下ろした。
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紫雲 - 4年前くらいのお話ですが読ませていただきました。貴方様の作品に感動しました。忘れてはならないことを思い出させてくださり、有難うございます。 (2023年2月24日 15時) (レス) @page19 id: fbda915cf9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ72194(プロフ) - 大分前のお話ですが、読ませていただいています。僕自身、精神的に辛いことが多々あり、そのたびに悩んできましたが、作者様のような、実際に身近な人を亡くされている方のお話を読むことができ、もう少し頑張れる気がします。ありがとうございます。 (2022年11月27日 22時) (レス) id: 0f2465c4bf (このIDを非表示/違反報告)
そると。 - 結構前のお話ですが読ませていただきました。本当に感動しました。僕は、人を感動させられるお話をかけるのはすごいことだと思っているので、尊敬します。素敵なお話をありがとうございました! (2022年9月17日 18時) (レス) @page19 id: 0d3043faf8 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - もう二、三年前の話でしたが感動し、泣かせてもらったのでコメントさせてもらいます。どうか、夢主ちゃんも、みんなも報われてほしいと心から思いました。感動するお話をありがとうございました。 (2022年8月22日 22時) (レス) @page19 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
にゅー(プロフ) - 猫築かなめさん» だいぶ前のコメントだし、もううらつくやめたかもしれないしこんなのきれいごとだって分かってますけど、死なないで (2021年12月7日 22時) (レス) id: 78ee496d97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水晶輝
作成日時:2019年11月6日 15時