6･･･(震え声) ページ6
「「なんかいる･･･っ！？」」
入間くんと2人でガタガタ震えていると、その影がひたりひたりと進んできた。
「･･････」
「･･･オペラ、さん･･･？」
「･･･」
猫のような耳としっぽ、長い髪、すらりとしたスタイル。
「全然違ったわ･･･」
オペラさんに似た要素は多いけど別人でしたごめんなさい誰か知らないけど。
しっぽは灰色っぽいし髪の毛は青い。ぎらりと光った目は夜空のような深く暗い色をしていた。
それにオペラさんは中性的な見た目だけど、この人(悪魔)は一目で女性だと思うような見た目だ。
そしてゆらりと後ろに何歩が下がり、
「･･･また来る？」
「Aちゃん逃げるよっ！！」
ダンっと飛び上がって何かを投げてきた。デジャヴ。
入間くんについて行って何とか逃げ切ったけど、鋭く光るそれはよく見るとナイフのようだった。
パチン、と指を鳴らす音と共にナイフが再び浮き上がった。
「「･･･！」」
そうだ。
ここは魔界で、悪魔は魔法を使える。
私たちは人間で、魔法なんて何も使えない。
「入間くんごめんね、私が部屋を出なければ･･･」
「･･･大丈夫だよ、もうすぐで部屋に着くし、それに」
「僕がAちゃんを守るから」
そう言った入間くんの顔は、凄くかっこよくて、
「･･････っはぁ〜〜〜」
「「ッ！？」」
その影の人は唐突に盛大なため息をついた。
「お熱いこって、興醒めだわ」
くるりときびすを返し、コツコツと音を立てて去っていった。
「帰った･･･？」
「ぽいね･･･」
「「良かったあああ〜･･･」」
2人で安心のため息をついたその瞬間。
ダダダダダダダダダダダッとシャレにならない音を立ててナイフが落ちてきた。
「･･･天井から降ってきた･･････？」
ナイフを拾いあげようとすると、手が触れた瞬間シュウっと音を立ててナイフは消えてしまった。
振り向けば他のナイフも床に沢山刺さっていたはずなのに、全部跡形もなく消えている。
床や壁の穴も塞がっていて、ナイフはおろかさっきの人(悪魔か)も幻だったんじゃないかと思うような風景だった。
(誰だったんだろう、さっきの･･････)
雨は、止んでいた。
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リリー(プロフ) - 匿名希望：我妻さんさん» コメントありがとうございます！アムちゃんも色頭ですからねぇ･･･ (2020年2月9日 7時) (
レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望：我妻さん - 更新楽しみにしますね！アスモデウスって、確かに七つの大罪の『色欲』を司る悪魔でしたよね。 (2020年2月9日 1時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)
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