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3・・・ ページ3

壇上に上った入間くんは何やら紙を手にしていた。

「あべるはぅけ」

ざわざわと周りの悪魔が異様な反応を見せ始めた。

「たるとぅだり いうさべべ」

「・・・あべるはぅけ、たるとぅだり、いうさべべ」

私も入間くんの真似をしてこっそり呟いてみる。
隣に座っていた悪魔がギョッとしたように私を見る。
皆静かなので、思いのほか私の声が響いてしまった。気をつけよう。

「つれざざ・・・」

「・・・つれざざ」

入間くんが詠唱(?)を終えると悪魔たちがどっと沸いた。
ぼんやり聞こえてくる言葉によると、これは禁忌呪文とかいうやばいやつだったらしい。
そりゃ隣のヤツもビビるわ。ごめんよ。

閉会を告げる声が聞こえ、入学式が終了した。

「・・・入間くん、さっきの呪文私も唱えちゃったんだけど、どんな効果があるの?」

「えっAちゃんも唱えたの!?えっとね、その日1日転ばなくなるんだって・・・失敗すると四肢が爆散するらしいよ・・・」

ウッソだろお前。ゾッとした。

「おい」

声をかけられ振り返ると、アスモデウス?さんがそこにいた。

「「・・・・・・」」

「横の君は関係ないから退いていろ」

「そっすか・・・」

とりあえず心細そうな入間くんについて行くと、中庭に着いた。
遠くから見ていると、「私の名はアスモデウス・・・」と桃髪の子の自己紹介が聞こえてきた。
アスモデウスって、七大罪の悪魔にいなかったっけ。確か・・・・・・なんだっけ・・・まぁいいや。

「さぁ、この衆人環視の下・・・私よりも実力が上だということを証明してみろ!」

「その身をもって!!」


約20分。入間くんは一度も被弾していなかった。っょぃ。

「・・・おぉ?」

アスモデウスさんが炎の剣を生み出して入間くんに襲いかかった。あれって持ってる本人は火傷しないのかな。

「っ!?」

ドシャアアアと凄まじい音が聞こえ急いで下へ降りると、砂煙の中から出てきたのは・・・


それはそれは見事なジャーマン・スープレックスを決めた入間くんとアスモデウスさんだった。


「・・・は?」

禁忌呪文の効果「その日1日転ばなくなる」が発動したということだろうか。

「・・・ふふ、凄いなぁ入間くんは」

思わず笑みがこぼれた。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃない・・・ってか笑わないでよ・・・」

「ごめんね・・・ふふ」

真っ青な顔の入間くんとちょっとだけ笑っている私。
傍から見ればおかしな図だっただろうけど、なんだかとても楽しかった。

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リリー(プロフ) - 匿名希望:我妻さんさん» コメントありがとうございます!アムちゃんも色頭ですからねぇ・・・ (2020年2月9日 7時) (レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望:我妻さん - 更新楽しみにしますね!アスモデウスって、確かに七つの大罪の『色欲』を司る悪魔でしたよね。 (2020年2月9日 1時) (レス) id: 590a3884b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリー | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年2月8日 22時

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