139.良い面 ページ45
伝七side
やっとの思いで忍術学園に帰ってきた。一時間目の終わりの鐘も鳴り、移動のため教室へ向かう。
伝「全く。なにやってるんだよ、彦四郎。」
彦「ごめんって…」
一「でも、助かったよね。イノシシが大根に気をとらわれて。」
左「そうだね。」
会話をするけれど、天女というワードは出てこない。いや、出してはいけないような雰囲気だ。
伝「もう、裏山でランニングなんてこりごりだ。」
僕は教室の扉を開けて自分の席へ座った。ふと、イノシシの後ろに立っていた天女の姿が浮かぶ。
伝「駄目だ、あんな奴を思い出しちゃ。」
左「誰のこと?」
伝「なんでもないよ。」
天女は敵だ。安藤先生もいつも僕たちにそう言っているし、何より一番の被害に遭ってきたのは僕たちなんだから、天女=悪は結果として当然だ。
だから、僕たちはあの時、天女がイノシシを追いかけるのを止めてくれた事を分かっていたけれど、お礼を言わなかった。
きっと安藤先生もそのことを分かっていた。でも、無視をして僕たちは忍術学園にそのまま帰った。先生が下した判断なのだから、正しいに決まっている。
それにしても、腹が立つ。いい面しやがって。
左「伝七。」
肩を叩かれた。号令がかけられて皆んな立ち上がっている。
伝「うわっ、」
もやもやしたまま、二時間目が始まった。
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奈月橋(プロフ) - ねこねこ!!さん» ありがとうございます! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 75187d8a04 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ!! - 面白い!! (2019年1月5日 0時) (レス) id: fe9db1ac35 (このIDを非表示/違反報告)
奈月橋(プロフ) - みこちさん» そうですね、小平太や仙蔵たちはキャラが崩壊気味ですが…大丈夫ですよ!必ず良くなります。なので、温かく見守ってください(^^) (2018年10月27日 17時) (レス) id: 75187d8a04 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 無いんです!今すぐ止めて下さい!」なんて、ポカンとしている仙蔵や小平太と、大喧嘩でもするんじゃ無いでしょうか?早く気が付いて! (2018年10月25日 14時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 信じようとしてくれる下級生達もいるのに、心配です。もしこのまま、「さあ、天に帰してやるぞ』なんてしようとしても、「何を馬鹿な事してるんです!この人は、そんなことしなきゃいけないような人でも、ましてや、天女何かじゃ (2018年10月25日 14時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈月橋 | 作成日時:2018年7月23日 15時