135.溜息 ページ41
休みを終えて、今日からまたいつも通り仕事に戻る。たった三日間開けただけなのに、久しぶりな感覚がして、少し緊張する。
「おばちゃん、おはようございます。」
千「はじめまして、市村千穂理と言います。宜しくお願いします。」
そうだった、色々あって千穂理は手伝うのがはじめてなのか。
お「あら、どうも丁寧にありがとうね。あなたのことはAちゃんから伺ってたわ。宜しくね。それにしても、その怪我大丈夫?」
千「大丈夫です、気を使わないでください。切られただけですから…」
今も痛々しく包帯で巻かれている首。これを見るたびに蘇る記憶が上級生たちの恨みへと変わっていることは自覚している。
お「無理はしないでね。」
千「はい。」
話の流れを変えるために違う話題に切り替えよう。
「おばちゃん、何から手伝えばいいですか?」
お「じゃあお米を研いでもらっていいかしら?千穂理ちゃんもそれを宜しくね。」
「分かりました。」
一緒に釜の方へ向かう。生徒全員分を作るため大量に炊かなくてはならないけれど、もう慣れたものだ。
千「凄い量だね。」
「まあね。生徒が沢山いるから…そうだ、お米研ぐの手伝ってほしいな。」
千「もちろん手伝うよ。」
「じゃあこれは任せるね。私は薪木を取ってくる。」
少し食堂から離れた場所に向かう。また、傷の事を思い出した。友達を守れない無力さや、自分に対する嫌悪感、抗えない負の感情に取り憑かれてしまいそうで怖い。
「このままでは駄目なんだ……」
溜め息を無意識のうちについていた。
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奈月橋(プロフ) - ねこねこ!!さん» ありがとうございます! (2019年1月5日 11時) (レス) id: 75187d8a04 (このIDを非表示/違反報告)
ねこねこ!! - 面白い!! (2019年1月5日 0時) (レス) id: fe9db1ac35 (このIDを非表示/違反報告)
奈月橋(プロフ) - みこちさん» そうですね、小平太や仙蔵たちはキャラが崩壊気味ですが…大丈夫ですよ!必ず良くなります。なので、温かく見守ってください(^^) (2018年10月27日 17時) (レス) id: 75187d8a04 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 無いんです!今すぐ止めて下さい!」なんて、ポカンとしている仙蔵や小平太と、大喧嘩でもするんじゃ無いでしょうか?早く気が付いて! (2018年10月25日 14時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
みこち(プロフ) - 信じようとしてくれる下級生達もいるのに、心配です。もしこのまま、「さあ、天に帰してやるぞ』なんてしようとしても、「何を馬鹿な事してるんです!この人は、そんなことしなきゃいけないような人でも、ましてや、天女何かじゃ (2018年10月25日 14時) (レス) id: 3f5bca2fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奈月橋 | 作成日時:2018年7月23日 15時