再びふくろう便02 ページ40
シリウスの表情が青く染った。
「待ってくれ……、だったらローズは？ローズは何処にいるんだ？ローズが君を育てたんじゃ無いのか？」
「母は……あの日、ポッター家で亡くなりました。報道には載ってませんがハリーを守るように亡くなっているのを父上が発見しています」
「そんな……！！」
膝から崩れ落ちるシリウスにセブルスは目を反らせ、セレナはハンカチを取りだしシリウスの頬を拭った。
しかし、その涙は洪水のように止めどなく流れ、まるで砂の城が波に飲まれ消えていくような……そんな危うさをシリウスから醸し出していた。
セレナは絶望の淵にいるシリウスに手を伸ばすと、包み込むように抱き締めた。
「お父さん……」
「ッ、……セレナ」
「お母さんの代わりには成れないけれど、私がいるわ。だから……『生きて』」
シリウスは何も言わなかった。
ただセレナに縋り付くように精一杯の力で抱き締め、大声を出して泣いた。
セレナも声を押し殺して泣いた。
しかしそれは、シリウスのように純粋に死を弔う涙ではなかった。
今まで母に対して「ハリーの方が大事だった」と勘違いしていたためきちんと弔った事がなく、今回の事件を気に、命を懸けてまでハリーを守り娘に未来を託した母を蔑ろにした自分を恥じての涙だった。
ーーーごめんなさい、お母さん。
代わりにお母さんの分までお父さんを守るからーーー。
泣き腫らした二人の目は真っ赤に染まっていた。
セブルスはセレナにだけ冷えたタオルを目に当てさせると、シリウスに向かって呟くように言った。
「ブラック、これからはお前がセレナを育ててやれ」
「……は？」
「父上！？」
「私は滅多に家に帰らん。親らしいこともしていない。そんな環境より実の親と一緒にいる方が、セレナにとってマシであろう」
セレナは目の前が真っ暗になった。
信頼し実の親のように思っていたセレナにとって、セブルスの申し出は青天の霹靂……予期していない言葉だった。
ハクハクと声にならない言葉だけが沈黙を埋めていた。
シリウスはそんなセレナを横目で見ると、睨みつけるようにセブルスを真っ直ぐ捉えた。
「スネイプ、またお前は間違えるようだな」
「なに？」
「セレナがその話を飲むと思うか？お前はセレナが十数年も育ててきた恩を忘れて、お前の元を去るような薄情な奴だと思っているのか？」
「っ……」
「俺はお前の示す案に乗ってもいい。けれどセレナの考えを優先しよう。ローズに似て優しいんだ……きっとちゃんと考えてくれる。そうだろ？」
シリウスは赤く染った灰色の目で、優しくセレナを見つめた。
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ルーエ(プロフ) - レンさん» 早速読ませて頂きました！全然解釈違いなんかじゃありません！！とても楽しめました！ずっとずっと応援させて頂きます！！ (1月24日 23時) (
レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、遅くなりましたがリク小説出来ました！だいぶ解釈違いで申し訳ないですが、お楽しみ頂けたらと思います！これからも応援よろしくお願いします！ (1月24日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - 返信遅くなってしまいごめんなさい！！リクエスト快諾本当にありがとうございます！！これからもレンさんの作品を読み続けたいと思います！ (12月31日 0時) (レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、コメント＆リクありがとうございます！私の方こそ解釈違いになるかもしれませんし遅くなると思いますが、是非とも書かせて頂きます！読んでいただいてる方々に喜んでいただけるような作品を作れるように頑張ります！ (12月30日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - リクエストなのですが、番外編として独占欲が強いハリーとの恋愛描写を読みたいなと考えておりまして……。ご検討お願いします。初コメントなのに厚かましくて申し訳ありません！！解釈違いや書くのが嫌であれば全然無視してもらっても構いません！ (12月29日 22時) (レス) @page50 id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年10月18日 20時
