ヴォルデモート卿の召使い06 ページ26
シリウスの嗚咽が響く部屋の中、ハリーは恐る恐るといったようにセレナに話しかけた。
「ねぇ、セレナ。だったら君のお母さんは、どうしてこうなる事を阻止できなかったの？」
ハリーの疑問は最もだった。だからここからは娘であるセレナの憶測しかない……。
けれどセレナは母をただの臆病者だと思わず、勇気ある者として考察した。
「母は未来が変わることを恐れたわ。だから助言だけに留めたのよ……。でも、それでも、いざ親友が殺されるとなれば命に変えてでも守ろうとするわ！きっとあなたの命が危ぶまれていれば、友人だった母は勿論、この二人だって貴方を助けていたでしょう」
セレナは一度深く息を吐いて片膝をつくと、ピーターとカチリと目が合った。
「もう一度聞くわ、ピーター・ペディグリュー。貴方がポッター一家の『秘密の守人』で、ヴォルデモートのスパイだった。十二年前、マグルを大量殺害したのも貴方ね？」
セレナのまるで確認するような質問に、ピーターはペラペラと哀れっぽく訴えた。
「仕方なかったんだ。あの方はあらゆる事を征服していた。あの方を拒んで何を得られる？私は殺されかねなかったんだ！」
彼の言葉に同情する者はこの場にいなかった。
セレナはスッと立ち上がると、ピーターを冷めた目で見ながらポケットから手鏡を取りだした。
「お聞きになりましたか、ダンブルドア校長」
「聞こえておるよ、セレナ」
手鏡からダンブルドアの声が響いた。
ピーターは絶望し、他の誰もがあんぐりと驚く中、シリウスだけが盛大に笑い出した。
「ピーター聞いたか！我が娘はとんだサプライズを用意していたようだ！」
叫びの屋敷が高笑いに満ちた。
セレナはそんな父の姿に苦笑いしつつも、ダンブルドアと会話を続けた。
「そちらには今誰が？」
「学校にいる皆じゃよ、セレナ。誰もが真実を聞いておる。なに、魔法省からもじきに使いが来よう」
「そんな！！？」
ピーターが嘆き叫んだ。リーマスがいち早く立ち上がろうとするピーターを押さえつけ、杖を一振し口を強制的に閉じさせた。
「さあ、ピーターをホグワーツへ連れて行こう。その方が良さそうだ」
「ではルーピン、我輩と共に奴を連れて行くぞ」
一歩前に出たセブルスにリーマスは一瞬怪訝な顔をしたが、瞬時に理解しそうしようと頷いた。
ピーターはセブルスの顔を見るなり喚こうとしていたが声は出ず、縄で腕を拘束され両側を教師陣で固められながら叫びの館を先に出た。
ロンはハーマイオニーに肩を貸してもらいながら三人の後を追うように出ていき、残るはシリウス、ハリー、セレナだけとなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルーエ(プロフ) - レンさん» 早速読ませて頂きました！全然解釈違いなんかじゃありません！！とても楽しめました！ずっとずっと応援させて頂きます！！ (1月24日 23時) (
レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、遅くなりましたがリク小説出来ました！だいぶ解釈違いで申し訳ないですが、お楽しみ頂けたらと思います！これからも応援よろしくお願いします！ (1月24日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - 返信遅くなってしまいごめんなさい！！リクエスト快諾本当にありがとうございます！！これからもレンさんの作品を読み続けたいと思います！ (12月31日 0時) (レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、コメント＆リクありがとうございます！私の方こそ解釈違いになるかもしれませんし遅くなると思いますが、是非とも書かせて頂きます！読んでいただいてる方々に喜んでいただけるような作品を作れるように頑張ります！ (12月30日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - リクエストなのですが、番外編として独占欲が強いハリーとの恋愛描写を読みたいなと考えておりまして……。ご検討お願いします。初コメントなのに厚かましくて申し訳ありません！！解釈違いや書くのが嫌であれば全然無視してもらっても構いません！ (12月29日 22時) (レス) @page50 id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レン | 作成日時：2023年10月18日 20時
