猫、ネズミ、犬01 ページ18
セレナは暗い廊下を息を切らせながら走っていた。
七階から全力疾走で、別棟の四階に向かっているからだ。
女子寮から談話室に戻ったあと、セレナは三人にいくつかの『お願い』をした。
ロンには「スキャバーズを離さないで、私の目の前に連れてきたら許してあげる」と言い、ハリーには「手鏡を持って行って。その鏡に向かって何処にいるか教えて」と話し、ハーマイオニーには二人を監視するように伝えた。
漸く四階に降り立ち廊下を走る中、手鏡の中からハリーの声が突如聞こえてきた。
「セレナ、聞こえる！？スキャバーズが逃げた！」
「どこに向かってるの！？」
「わからな、ウワッ！？」
遠くの方で「ハリー！」と叫ぶハーマイオニーの声が聞こえ、更に唸るような声が鏡の外へ響いてきた。
シリウス・ブラックだ……。
早く行かないと手遅れになってしまう。
セレナは闇の魔術に対する防衛術の教室に勢いよく入ると、そこには驚いた様子のリーマスが羽根ペンを持ったまま固まっていた。
「どうしたんだい、セレナ。そんなに慌てて...」
「お父様！シリウス・ブラックがピーターを捕まえました！」
「セレナ、何を言ってーーー」
リーマスが酷く険しい表情をしながらセレナに近寄るその時、鏡からハーマイオニーが必死に叫ぶ声が聞こえた。
「セレナ！暴れ柳の中よ！ロンがピーターごとブラックに連れ去られたわ！」
途端、リーマスは血相を変えてセレナの静止の声も聞かず教室から走り去った。
セレナは悪態をつきながらも次の目的地である地下室を目指そうと教室を飛び出すと、ドンッと誰かとぶつかった。
「すみませーーー」
「急に扉から出るんじゃない、ウィンクルム」
「父上！」
顔を上げると、顔を歪ませたセブルスが小声で「ここでそう呼ぶな」と鋭い目で辺りを見渡した。
セレナは慌てて謝ったが、そんなことをしてる場合じゃないとセブルスの服を掴んで叫んだ。
「シリウス・ブラックがロンを巻き込んで暴れ柳に！」
「先に言え！！」
急にグッと何かを押し付けられ尻もちをついてる隙に、セブルスは颯爽と走って消えた。
御歳四十で日々研究に勤しむ姿しか見せない彼の全力疾走は、義娘のセレナでさえも唖然とさせた。
「って、これ『脱狼薬』じゃあ……」
押し付けられた透明の大瓶をよく見ると、以前セブルスと作った脱狼薬の色に酷似していた。
セレナは慌てて外を見ると、丸い銀色の月が雲に隠れながらひょっこり顔を出しているのが見える。
「急がないと……！！」
役者は既に揃っている。
あとは十二年前の答え合わせをしなければ……。
セレナは再び廊下を駆け出した。
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ルーエ(プロフ) - レンさん» 早速読ませて頂きました！全然解釈違いなんかじゃありません！！とても楽しめました！ずっとずっと応援させて頂きます！！ (1月24日 23時) (
レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、遅くなりましたがリク小説出来ました！だいぶ解釈違いで申し訳ないですが、お楽しみ頂けたらと思います！これからも応援よろしくお願いします！ (1月24日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - 返信遅くなってしまいごめんなさい！！リクエスト快諾本当にありがとうございます！！これからもレンさんの作品を読み続けたいと思います！ (12月31日 0時) (レス) id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ルーエさん» ルーエさん、コメント＆リクありがとうございます！私の方こそ解釈違いになるかもしれませんし遅くなると思いますが、是非とも書かせて頂きます！読んでいただいてる方々に喜んでいただけるような作品を作れるように頑張ります！ (12月30日 23時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
ルーエ(プロフ) - リクエストなのですが、番外編として独占欲が強いハリーとの恋愛描写を読みたいなと考えておりまして……。ご検討お願いします。初コメントなのに厚かましくて申し訳ありません！！解釈違いや書くのが嫌であれば全然無視してもらっても構いません！ (12月29日 22時) (レス) @page50 id: 69c4e7e541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年10月18日 20時
