重大秘密の日記09 ページ38
手紙には夏休みの休暇にもホグワーツに居させて欲しいという嘆願書だった。
マグルの孤児院で過ごす彼にとって、そこは息苦しい監獄のよう...。父をマグルに母を魔女に持った彼は、幼い頃に親族と呼べるものを失ったのだと言う。
ディペットも鬼ではなかった。本来ならば特別にと滞在を許したかった。けれど、今はそれが出来ないのだという。
『先生、襲撃事件の事ですか？』
『先日も悲しい出来事が起こったばかりじゃ...。女子生徒が一人死んでしもうた。そんな状況で君をここに残す訳にはいかん。実を言うと、魔法省は今やホグワーツを閉鎖しようと考えておる。しかし、我々はその一連の事件の源を突き止めることが出来ん』
苦々しく言ったディペットの言葉に、リドルは少し落ち着かない様子で言った。
『先生、その何者かが捕まったら...もし事件が怒らなくなったら...』
『どういう意味かね？リドル、君はこの事件について何か知ってるとでも言うのかね？』
ディペットのどこか期待した目に、リドルは『いいえ』と答えた。
ハリーは何故かその返答にピクリと反応し、じっとリドルを見つめた。
あれからリドルは校長室を出た後、深刻な顔をして下唇を噛み眉間に皺を寄せた。
それから突然、何かを決心したかのように急いで歩き出した。
その異様さに、セレナとハリーは音もなく着いて行った。
玄関ホールまでは誰とも出会わなかったが、そこで鳶色の髪と髭を蓄えた背の高い男性が大理石の階段の上からリドルを呼び止めた。
『こんばんは、トム。こんな遅くに歩き回って、何をしているのかね？』
ハリーは彼らに聞こえるはずがないのに、こっそりと『あの人がダンブルドアかな？』と聞いてきた。
セレナも『たぶん...』と自信なさげに頷くも、彼の薄いブルーの瞳から放たれる意思に見覚えがありすぎた。
『はい、先生。校長先生に呼ばれましたので』
『それでは、早くベッドに戻りなさい。この頃は廊下を歩き回らない方がよい。例の事件以来……』
ダンブルドアは大きく溜息を吐き、リドルにおやすみと言ってその場を立ち去った。
リドルはその後ろ姿が見えなくなるまで見ていたが、それから急いで石段をおり、真っ直ぐ地下牢に向かった。
足のリーチの差で見失いかけたが、セレナたちは何とか追跡できた。
やっとのとこで辿り着いたのは、隠し通路でもなく、秘密のトンネルでもない。
ただの地下牢教室だ。
『ここ、スネイプ先生の魔法薬学で使う教室よね？』
『ああ...！本当だ、セレナよくわかったね』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (2023年5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (2023年5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (2023年5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (2023年4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
