重大秘密の日記08 ページ37
「ハ、ハリー。これじゃガウンが伸びちゃうわ」
「ダドリーのお下がりだから大丈夫だよ。それにセレナが風邪ひく方が嫌だよ」
ふわりと笑ったハリーに、セレナは顔に熱が集まるのを感じた。
...何これ。初めてのこの感覚。
得体の知れない感情にセレナが戸惑う中、ハリーは日記を広げた。
『こんばんは、トム・リドル。ハリーです』
『こんばんは。早速だけど返事を聞かせてくれないかな』
『友達と一緒に見たいのですが、良いですか？』
日記はインクを吸い取ると、少し間を置き『その子は誰？』とインクを浮かべた。
「セレナ、返事どうする？」
「へっ！？え、ええ、そうね...」
セレナは『こんばんは、セレナ・ウィンクルムです』と流れるような文字で綴ると、トム・リドルは邪険にすることなく『こんばんは、トム・リドルです』と答えた。
更に日記に文字が浮かび上がった。
『きみは《変わり者の一族》なんだね』
ハリーはその文字に首を傾げたが、セレナはその言葉でピンと来た。
彼は《スリザリン生》だ。
『ええ、そうです。今晩はよろしくお願いします。内容はハリーから聞きました』
『話が早くて助かるよ。ハリー、セレナ、それではお見せしましょう』
日記の向こう側にいるトム・リドルが笑った気がした。
ひとりでにページが捲られ、六月の中ほどのページで止まった。
六月十三日と書かれた小さな枠が、小型テレビの画面のようなものに変わっていった。
セレナとハリーは呆然としながらもその日記に触れると、光に包まれ談話室には日記だけが残された……。
目を開けると、セレナは見覚えのある風景に安堵した。
居眠り肖像画のかかっている円形の壁……ダンブルドアの校長室だ。
しかし目の前に座っている校長先生は、しわくちゃで小柄なパラパラと白髪の残る禿頭のご老人……。どう見てもダンブルドアでは無かった。
『あの人、誰？』
『たぶん《ディペット校長》よ。トム・リドルが言ってた』
『って事は、トム・リドルは本当に僕たちを五十年前に連れてきたってこと？』
ハリーに言葉を返そうと口を開いたその時、コンコンと校長室の扉を叩く音がした。
ディペットが入ることを許可すると、自分たちより年上の監督生バッジを胸に掲げた黒髪の美少年が入ってきた。
『ディペット先生、何か御用でしょうか？』
『リドルよ、お座りなさい。ちょうど君がくれた手紙を読んだところじゃ』
セレナはその手紙が机の上に広げて置かれているのをいいことに、そこに綴られた文字を目で追いかけるとリドルと呼ばれた少年を見た。
彼は孤児だった。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (2023年5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (2023年5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (2023年5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (2023年4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
