壁に書かれた文字01 ページ4
ノットの叫び声にいち早く駆けつけたのは、人混みを押しのけやってきたアーガス・フィルチだった。
「私の猫だ！ミセス・ノリス！何があったというのだ！」
松明にかかった飼い猫を見て発狂したフィルチは、飛び出した目をハリーとセレナに向けた。
「お前たちだな！」
叫びながら掴みかかってこようとするフィルチに、ハリーは咄嗟にセレナの前に立ち、フィルチに胸ぐらを掴まれた。
「お前たちだな！お前たちがわたしの猫を殺したんだ！殺してやる、殺してやる...っ！」
ハリーを揺さぶるフィルチを止めようと、セレナが止めようとフィルチの腕を掴むと、フィルチはセレナを払い除けた。
その時、地を這うような低いテノールの声が廊下に響いた。
「アーガス・フィルチ...生徒に何をしておられるのかな」
セレナの前には見慣れた真っ黒のローブが立ちはだかった。
その腕がフィルチの腕をギュッと握りしめ、フィルチはその痛さにハリーを離した。
「スネイプ先生！こいつが、こいつらが私の猫を殺したんだ！」
叫ぶフィルチにセブルスは、目を見開き生唾を飲み込んだハリーと、尻もちをついたセレナと、松明に引っかかった猫と壁に記された文字を見て、再びフィルチを見た。
「この二人がやったという証拠があると...？」
落ち着き払った声にフィルチが再度叫ぼうとすると、人ごみを掻き分けてダンブルドアがやって来た。
「アーガス、一緒に来なさい。Mr.ポッター、Msウィンクルム...君たちも」
「校長先生！私の部屋が一番近いです。すぐ上です！どうぞご自由に」
生徒たちを押し退けるように現れたロックハートにダンブルドアは礼を言うと、フィルチとセレナ、ハリー、その後ろからマクゴナガルとセブルスを引き連れた。
生徒の群れを脱した所で、ハーマイオニーとロンが心配そうにセレナとハリーを見つめていた。
「スネイプ先生を呼んでくれてありがとう」
「また寮で会おう」
セレナとハリーは極力心配をかけないように笑顔を努め、ダンブルドアの後を追った。
ロックハートの部屋に入ると、ロックハート自身の写真が壁一面に飾られていて、セレナは苦虫を噛み潰したような表情をした。
ダンブルドアが優しくミセス・ノリスを机の上に置くと、つついたり刺激しながら隈無く観察した。
マクゴナガルも同じように鼻がミセス・ノリスにくっつく位近付き観察を始めた。
セブルスは静観し、ロックハートは周りをウロチョロしながらあれやこれやと意見を述べていた。
そんなロックハートの話の合いの手は、涙も枯れたフィルチが激しくしゃくり上げる声だった。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
