絶命日パーティ07 ページ1
夜の七時になり、セレナたち四人はニックとの約束通り《絶命日パーティ》に参加していた。
パーティ会場までは、ハロウィンだと言うのに楽しい雰囲気ではなく、逆におどろおどろしい雰囲気に包まれていた。
皆のテンションが下がる中、パーティ会場につくとニックが嬉しそうに出迎えてくれた。
「これは、これは...ようこそおいでくださいました」
羽飾りの帽子をサッと脱いでお辞儀をすると、四人に中まで入るよう誘導した。
言われた通り中に入ると、四人は信じられないような光景を見た。
地下牢は、何百という半透明のゴーストでいっぱいだった。さらにその殆どが、三十程の鋸で奏でる不協和音に合わせてふわふわとワルツを踊っている。
ゴーストたちが動く度、黒いろうそくが放つ群青色の火が冷気で揺らめいていた。
「少し歩きましょ...。寒いわ」
セレナの提案に三人は頷き、ゴーストに当たらないように気をつけながら歩いた。
途中ハーマイオニーが、三階の女子トイレに取り憑く《嘆きのマートル》がいるからと引き返すと、ピーブスがニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべて現れた。
「お前が可哀想なマートルの話をしてるのを聞いたぞ。...オーイ！マートル！」
ピーブスが呼ぶと、奥から分厚い眼鏡をかけた女の子がスルスルとやってきた。
何なの？と仏頂面で四人とピーブスを見渡すと、ピーブスが口を開く前にハーマイオニーが声を出した。
「今夜のあなたはとっても素敵だと言ってただけよ」
ねぇ？と同意を求めるように脇腹を肘でつつかれ、三人は何度も頷くも、マートルは一向に信じず嘘だと睨みつけた。
「あなた、私のことをからかってたんだわ」
「そんな事ないわ、マートル」
今度はセレナが答えた。するとマートルの表情が少し色めきたった。
「あら、あなた...すごく綺麗な顔してるわね」
「そう？あなたに言われると嬉しいわ。私、セレナ・ウィンクルムって言うの。貴女は...？」
「《マートル・エリザベス・ワレン》……皆は嘆きのマートルって呼ぶわ」
自己紹介しただけで自虐するマートルに、セレナは同じく悲しそうな顔をした。
「それは酷いわ。私でよければ今度話を聞くわよ」
「ありがとう。貴女ってとっても優しいのね」
んフフと笑ってマートルは去っていった。
手を振るセレナに、ハーマイオニーは貴女って誰とでも仲良くなるわねと呆れながら感心していた。
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レン(プロフ) - 葵さん» 葵さんコメントありがとうございます！コメント頂けるだけで励みになります✨️GW明けたので更新頑張っていきます！ (5月8日 7時) (
レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
葵 - とっても面白いです！更新頑張ってください！（文章短くてすいません） (5月6日 20時) (レス) @page34 id: 20e1982af2 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - みーさん» みーさん、コメントありがとうございます！これからも執筆頑張ります！！ (5月1日 7時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
みー - むちゃくちゃサイコーです！ (4月29日 20時) (レス) @page32 id: 3d403f2132 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - レイさん» レイさん、コメントありがとうございます！出来るだけ違和感が出ないようにと心掛けてるので嬉しいです☺️これからもよろしくお願いします！ (2023年4月24日 6時) (レス) id: 38d4befbfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レン | 作成日時：2023年3月18日 7時
