無色の枷 (ページ10)

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──────……

「さ、満足した？じゃあ手錠外して」

「……」

まるで作業のように話を進めるAに対し、影汰は黙り込む。

「なに黙ってるの？約束でしょ。じっとしてたんだから外してよ」

「なんか……物足りない」

「は…？ホック外すごときに何をそんな期待してたの」

「期待っていうか……なんだろ」

すると影汰はジッとAを見つめて言う。

「僕はもっと…Aにもドキドキしてほしい……」

「だからしないって。さっき言ったじゃん」

「…恋人なのに」

「そっちが勝手に言ってるだけでしょ」

「……」

影汰はションボリとした表情でAを見つめ続ける。
そこでふと、彼は思い出したように口を開いた。

「……それ、どうするの？」

「それ？」

「ホック…」

「え、付けるけど」

「どうやって？」

「どうって……手で」

「手錠してるのに？」

「は！？外してくれないの！？」

「…僕が付ける」

「いや、自分でやるって！」

反論するAを無視して、影汰は彼女の身体をグルリと回転させた。
消化不良の彼は、まるで答えを探すようにして彼女の背中を見つめる。

「これ付けたら…ちゃんと手錠外してあげるから」

「なっ…それ本当に？」

「うん」

「…なら早くしてよ」

諦めた様子のAを見て、影汰は彼女の服を捲り上げる。
その瞬間、彼の目に飛び込んできたのは外れたホックなどではなく、その白くて細い……彼女の背中だった。

「…き、綺麗……」

「は？何が…」

「スベスベ…！」

「ひゃ…ぁｯ…！？」

影汰が背中に擦り寄った瞬間、Aは思わず声を出した。
それを聞いた影汰は目を丸くする。

「え……なに…今の……」

「べ、別にちょっとびっくりしただけ…ひぅ…ｯ！？」

ツー…っと背中を指でなぞるとAはさらに声を出す。
その様子を見て影汰は、段々と調子に乗りだす。

「へ…へへ……も、もしかして…僕に触られて、感じてる？」

「ち、違っ…んｯ……」

「違くないよね？…だってこんなに声出てるもん」

「それ…は……っ、身体の………構…造上……ｯ…」

「なに？」

「っ……と、にかく…今すぐやめ…んｯｯ……は…ぁっ…」

影汰はいやらしい手つきで身体を弄りながら、背中に舌を這わせていく。

……そしてそのまま、彼はAを押し倒した。