【ツイステ】破天荒な人魚は自寮がお嫌い (ページ49)

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48話ページ49

「どーーーーーーーよ！！！！！」

どうせ無理だからやめとけ……

なんて生ぬるい視線に耐えきれなくなって、
珍しく(自分で言うのもなんだけどね)
真面目に魔力を込めた。

すぅ、と浮き上がる箒は校庭の木を超え、
空中で安定して静止する。

「ほぅ……
オクタヴィネル生にしては珍しい。
まさか馬鹿か？」

「あのー
さっきからすっげぇ失礼なんですが！！！」

あははははは！と
爆笑している4人は後で絶対絞める。
フロイドじゃないけど絞めてやる。

「ユウくーん！！！乗る？！」

と空から叫べば、
凄く嬉しそうに彼の顔が輝いた。

「うん！いいの！！？」

「いーよー！！！」

ふ、と魔力を緩めれば急降下する箒。

「なっ、」

「ちょっ？！」

「A？！」

「っ、と。
大丈夫ですって……
なに、そんなに下手なんですか、アズール達。」

慌てて受け止めんばかりに
両腕を広げてポーズをとる
バルガス先生がちょっと気持ち悪くて、
私は急停止した。

「あれは飛べもしないぞ」

「……まぁアズールはそうでしょうね。」

要領が悪いんだよな！あの人は！！！
別にできないわけじゃないと思うんだけど。

「ユウくん、どーぞ。」

「………………………」

「え？どうかした？」

「Aくん、
もし僕を乗せてさっきみたいなことしたら、
分かってるよね？」

ふ、と暗い顔をして言うユウくん。

えっ、だめなの？！
と言うとダメに決まってるでしょ！！！
と頭を叩かれた。

楽しいのに。

「わかった、わかったよ。
ちゃんとゆっくり降りる。
約束するから。」

「……怖い……」

「とか言いながら乗ってるじゃん……」

魔法もない世界から来たと言っていた。
そりゃ空飛べるなんて奇跡なんだろうなぁ。

「浮くよ？」

「うん……っ」

ぎゅ、と腰を掴まれた。
うぅ、くすぐったい……
落とさないようにしないと…

すぅ、と細心の注意を払って
ゆっくりと浮き上がる。
彼には受身を取れるほどの風魔法も
何も無いのだから、
ちゃんと真っ直ぐ浮かないと……

『ーーーーっ！！』

『ーーーーって、ーーーーーーよ！』

んん、上がうるさいな。
まぁそんなに高く飛ぶつもりもないし大丈夫かな、
なんて思っていた時。

｢バカ野郎っ！！！！｣

「え」

声に驚いて上を見上げると、
箒から落ちたらしく空中を落下する同級生。
真下には私の箒が位置する形だ。

不味い。
そう思った時には、
既に私の肩に
思い切りクラスメイトがぶつかっていた。