45話 ページ46
まぁでも結局、
私は放課後は
こうやって働かなきゃ行けないわけで。
「ご注文お伺い致します」
「あーじゃあこのーーーーーー」
「かしこまりました」
ワンドリンク制なんて
どこまでも搾り取る機能を兼ね備えた、
アズールらしいカフェ。
だいぶ働くのにも慣れてきて、
常連さんの顔を覚えてきて。
「カジキちゃん」
「あ、じゃあフロイド、
あっちおねがい」
「いいよ〜」
滞ると客に迷惑がかかるので、
ここでも私とフロイド、
それかもちろんジェイドもアズールも、
超、協力的である。
「Aさん、
こちら3番テーブルへお願いします」
「あ、うん」
「あちらのお客様、
もう少しなにか頼ませていただけませんか?」
「あ、無理です」
なんて。
「いらっしゃいまーーー、って、
ラギー先輩!?と、レオナ先輩」
「今すっごくレオナさんを取ってつけたっすね」
「お前ほんとにここで働いてんのか……」
「冷やかしですかレオナ先輩」
呆れた様子で呟くレオナ先輩にそう返すと、
楽しそうにラギー先輩が笑う。
「Aが働いてるって聞いて、
心配になって見に来たんっすよねぇ」
「ばっ、ラギー!!」
「えええええレオナ先輩可愛い……
先輩デレると
無性に耳が垂れるからすぐ分かりますよ」
てめぇ、と
グルグル唸っているがそれすらも可愛い。
20歳なのに可愛い。
なんて言うと無言で頭掴まれた。
いたいです。
「それにしてもラギー先輩が
うちなんかに来るんですね?
働いてるってのは聞きましたけど……
まさか食べにこられるなんて」
うち高いのに。
功利主義のラギー先輩は、
自室できっちり料理するタイプに見える。
実際そう聞いた記憶もあった。
「いやぁレオナ先輩が奢りでいいって言うんで」
「………………」
「私今日死ぬかもしれないです
可愛いがすぎる」
「ってあれ、今、髪の色……変わった?」
きょとん、と目を開いて呟くラギー先輩。
「あれ、見たことありませんでした?
カジキって、
テンション上がると髪紫になるんです」
あと目も。
と言うとそういえばいつも紫だったっすね、
とラギー先輩。
あぁ走る練習していたから、
会った時には既にいつも紫だったのか。
いつも私が1番だったしね。
「Aさん?」
「え?」
くるりと振り返ると
にこにこにこにこしているアズールとジェイド。
いやなに?怖いんだけど!!!
向こうでフロイドが、
「え?!オレもいきてんたけどぉ?!」
と叫んでいるのが聞こえた。
どこにだよ。
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作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年6月30日 22時