検索窓
今日:11 hit、昨日:16 hit、合計:309,512 hit

45話 ページ46

まぁでも結局、
私は放課後は
こうやって働かなきゃ行けないわけで。

「ご注文お伺い致します」

「あーじゃあこのーーーーーー」

「かしこまりました」

ワンドリンク制なんて
どこまでも搾り取る機能を兼ね備えた、
アズールらしいカフェ。

だいぶ働くのにも慣れてきて、
常連さんの顔を覚えてきて。

「カジキちゃん」

「あ、じゃあフロイド、
あっちおねがい」

「いいよ〜」

滞ると客に迷惑がかかるので、
ここでも私とフロイド、
それかもちろんジェイドもアズールも、
超、協力的である。

「Aさん、
こちら3番テーブルへお願いします」

「あ、うん」

「あちらのお客様、
もう少しなにか頼ませていただけませんか?」

「あ、無理です」

なんて。

「いらっしゃいまーーー、って、
ラギー先輩!?と、レオナ先輩」

「今すっごくレオナさんを取ってつけたっすね」

「お前ほんとにここで働いてんのか……」

「冷やかしですかレオナ先輩」

呆れた様子で呟くレオナ先輩にそう返すと、
楽しそうにラギー先輩が笑う。

「Aが働いてるって聞いて、
心配になって見に来たんっすよねぇ」

「ばっ、ラギー!!」

「えええええレオナ先輩可愛い……
先輩デレると
無性に耳が垂れるからすぐ分かりますよ」

てめぇ、と
グルグル唸っているがそれすらも可愛い。
20歳なのに可愛い。
なんて言うと無言で頭掴まれた。
いたいです。

「それにしてもラギー先輩が
うちなんかに来るんですね?
働いてるってのは聞きましたけど……
まさか食べにこられるなんて」

うち高いのに。

功利主義のラギー先輩は、
自室できっちり料理するタイプに見える。
実際そう聞いた記憶もあった。

「いやぁレオナ先輩が奢りでいいって言うんで」

「………………」

「私今日死ぬかもしれないです
可愛いがすぎる」

「ってあれ、今、髪の色……変わった?」

きょとん、と目を開いて呟くラギー先輩。

「あれ、見たことありませんでした?
カジキって、
テンション上がると髪紫になるんです」

あと目も。
と言うとそういえばいつも紫だったっすね、
とラギー先輩。

あぁ走る練習していたから、
会った時には既にいつも紫だったのか。
いつも私が1番だったしね。

「Aさん?」

「え?」

くるりと振り返ると
にこにこにこにこしているアズールとジェイド。
いやなに?怖いんだけど!!!

向こうでフロイドが、
「え?!オレもいきてんたけどぉ?!」
と叫んでいるのが聞こえた。
どこにだよ。

46話→←44話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (228 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
806人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よく骨を折る田中 | 作成日時:2020年6月30日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。