検索窓
今日:16 hit、昨日:10 hit、合計:6,197 hit

いち ページ3

中等部2年の頃から付き合っていた彼氏にこっぴどく振られた。
それはもう散々なくらいに。


『あんな言い方しなくたっていいじゃん……。』

『けど……私はただの遊び、だったんだよね…』


そう口に出したら一気に悲しくなってくる。
誰もいない図書室で蹲って、声を押し殺して泣いていた。


「……大丈夫か?」

『え…』


誰もいないと思っていたが、実際には男が1人いたらしい。
顔を上げると、綺麗な顔立ちの少年がこちらを見ていた。
綺麗な人…。思わずそう言いそうになる。


『あっ、えっ……あ、あの平気ですので!!』


心配そうな顔をしている少年に気を使わせてしまっては悪いと思い
目元を擦って涙を止めようとする。
しかし、その手は少年の手によって止められた。


『……え』

「赤くなるぞ、擦るな。」


そう言うと少年はハンカチを差し出してくる。


「これを使え。」

『つ、使えないです!!』

「いいから使え。」


必死に断ったものの、
結局少年にハンカチを押し付けられ
挙句の果てには目元をハンカチで拭われた。
そしてそのまま少年はハンカチを渡し図書室を後にしてしまう。


『……行っちゃった。』


扉の方を呆然と見つめながら呟いた。
直後、正気に戻る。


『………………って、なにあのイケメン!?』

『あ、あんなイケメンの私物を渡されてる…!!!
どうしよう……!何とかして返さないと……!!』


でも、彼の名すら知らない。
名前を聞いておかなかったことを後悔する。


『……悩んでたってしょうがない!
明日から探し始めよう!!』


そう高らかに宣言して少し……
意外にも彼のことはすぐに知ることとなる。

に→←プロローグ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
141人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちぃ(プロフ) - もうキュンキュンしちゃった!!控えめに言って大好きです!!投稿お待ちしております!! (3月24日 22時) (レス) @page6 id: 7c326927d5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あかり | 作成日時:2024年3月21日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。