愛の謳い方を知らぬ僕らは (ページ7)

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｢綺麗になったもんな｣
｢ありがとう笑何？急に褒めて笑｣
｢たまにはいいだろ｣

どんどんあなたが離れていく。
徐々にあなたとの距離が広がっていく。

きっともう、
『誰のことも好きにならない…翔太さえいればいい』
そうやって、涙を零したあなたはもういない。

ただ、俺だけがあの頃に取り残されている。

『翔太は翔太でしょ？
それ以上でもそれ以下でもないじゃん
翔太は私の自慢なんだから胸張ってよ』

少し幼いあなたの声が重なり合って響く。
抱きしめてくれた温もりが再来する。

本当に好きな人は姉ちゃんだよ。
そう言ったらあなたは冗談言わないでよって笑うのかな？

あなたの事を失うことが怖い俺は、
生意気な弟の振りをして馬鹿みたいに笑う。

あいつの言う通りだよ。
俺は一生、誰も愛さず、誰にも愛されずに生きていく。
そうやって生きていかなきゃならない。

それだけの禁忌を犯してしまったから。

ああ、なぜ姉弟として生まれてしまったのだろう。

この血の繋がりのせいで、こんなにも愛しているのに、
あなたの隣を歩くことは出来ない。

だから精一杯の強がりをあなたに贈る。

｢姉ちゃん、幸せになってね｣
｢ありがとう、翔太も幸せになってね｣

俺が幸せになれないとしたら、それは…

全部全部、あなたのせいだよ。