バーチャル彼女、現実にいました。【銀時】 ページ9
カンッ!と勢いよくお猪口をカウンターに置いた。
「はぁ....ダメだろぉ....いい歳した大の大人が恋愛ゲームにハマっちまうなんざ...」
「旦那ぁ、仕方ねぇですぜ。あのゲームは今や大ヒット間違いなしの人気ゲームになっちまった」
「仕方なくねぇんだよぉ....。うちの従業員に見つかったら変な目で見られるってぇ....」
「旦那ぁ、もう飲むのはやめときな。悪酔いしてまさぁ」
水を出され、飲もうと手を伸ばすがぐったりと倒れこむ。
「ありゃりゃ、ダメだこりゃ」
「ダメじゃねぇよぉ....Aちゃぁん....」
「現実に戻ってきなせぇ、旦那」
ゲームから卒業しようと居酒屋に来たが、禁断症状のように求めちまう。完全に中毒だ。
ガララ、と引き戸が開く音がして、おやじがらっしゃいと反射で返事するが、すぐに驚愕の声を漏らした。
『純米酒、一本お願いします』
その声に、ハッとして顔をあげた。酔った頭がくらっとするも、女の姿を鮮明に映した。
数席あけて座った若い女は出された酒を手酌すると、ぐいっと勢いよく飲み干した。
思いつめた顔は見たことがあり、酔っている俺はゲームの世界と現実世界の区別がつかなかった。
「Aっ!」
『っ!?』
泣き出しそうだった彼女を見て、思わず抱きしめた。
『このっ、変態っ!!!!』
「ぶべらぁっ!!!」
ぶたれた。
バーチャル彼女、現実にいました。
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都野桜(プロフ) - 律です。さん» こちらこそ!短編もちょくちょく書けるように頑張る! (2021年4月5日 5時) (レス) id: 8777a98142 (このIDを非表示/違反報告)
律です。(プロフ) - コメントありがとうございます!お互い頑張りましょう (2021年4月4日 15時) (レス) id: 37614e4870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:都野桜 | 作成日時:2020年12月15日 0時