甘いあの子【銀時】 ページ5
『甘味はいかが〜?』
真選組屯所、男所帯に似合わない愛らしい声に筆を止めた。
ときどきやってくる甘味屋の娘だ。
『土方さん、こんにちは!今日は栗入り葛焼きを持ってきましたよ。お抹茶と一緒にどうぞ』
ふわっと優しく香る甘い香り。彼女からはいつも餡子の香りがする。
「あぁ...いつも悪いな、A」
『いえいえ、いつもありがとうございます』
新作茶菓子の試食は俺の役目だ。もっと適任者はいると思うが、敢えて甘いのが苦手な人から評価が欲しいらしい。仕事熱心な真面目な娘だ。
『では、感想はまた。他も回らなきゃいけないので、今日は失礼しますね』
「万事屋のとこか?」
『っ!!//////』
ボっと湯気が出そうな勢いで顔が赤くなる。判りやすすぎる。
『ぎ、銀さんはお店によく来てくれるので...他ですよ、他!///』
「わかったわかった。そういうことにしといてやる」
『ほ、本当ですからね...?』
こんな素直で可愛らしいのに、独り身なのが勿体ないくらいだ。
いや、A目当ての客も多いし、評判はいいのだが...彼女自身、鈍いからな。
忙しそうにパタパタと販売へと戻っていく姿を見送り、貰った茶菓子を開けた。
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都野桜(プロフ) - 律です。さん» こちらこそ!短編もちょくちょく書けるように頑張る! (2021年4月5日 5時) (レス) id: 8777a98142 (このIDを非表示/違反報告)
律です。(プロフ) - コメントありがとうございます!お互い頑張りましょう (2021年4月4日 15時) (レス) id: 37614e4870 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:都野桜 | 作成日時:2020年12月15日 0時