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白と歩く【銀時】 ページ18

彼に新しい仲間ができた。



ずっと近くで見守っていたから、あの子たちと出会えて安心した。

あの子も、また独りぼっちになったから。


話しかけてあげたかった。その髪にまた触れたかった。また笑い合いたかった。


でも、松陽が居なくなって...あなたは独りぼっちになって....私も独りぼっちになった。


あなたが思い出してくれたら、また会えるのに。





『神楽、そんなに急いで食べると喉を詰まらせますよ』



炊飯器いっぱいに炊いたご飯をしゃもじのまま胃に流し込む少女はキョロキョロと辺りを見回す。



『新八、銀時を起こしてあげてください。彼の朝ごはんがなくなってしまいます』

「あっ、神楽ちゃん食べ過ぎ!銀さんのご飯なくなっちゃうじゃないか。
銀さーん、起きてくださーい!」



寝室に入り、布団を抱え込んでいる彼はまだ眠そうに呻いている。



ふわふわな白銀の髪に手を伸ばすと、透き通った指先が彼の頭を貫通して消える。



まったく、初めて会ったときから変わりませんね。よく寝る子だった。



彼の傍に寄り添い、気持ちだけでも起こそうと手を伸ばす。



「...A」

『っ!』


伸ばした手は透き通ることなく、掴まれていた。



まだ寝ぼけていそうなボーっとした瞳には私が映り、へにゃりと笑んだ。



「おはよ」


驚いた。


彼に私が見えるハズ....ううん、彼は"見える"子ですから。


だから、あなたに出会えて傍にいることができた。



『おはようございます、銀時』



その後、実体を得たことで突然現れた女となってしまった私は万事屋で大騒ぎになった。


銀時といえば、嬉しいような、寂しそうだったような、いろんな感情が混ざって複雑そうだった。



『銀時が私を思い出す限り、私は傍にいますから』
「わかってるよ、お前は俺の....」
『....なんですか?』
「なっ、なんでもねーよ!おら、久しぶりの供えもん...って、炊飯器のなか空っぽ!?」



供え物...幽霊みたいですが、いいえ、私は神様です。




今は信仰なき神社から出た、銀時のための野良神です。





また一緒に、歩きましょうね。




_ 白と歩く Fin _

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都野桜(プロフ) - 律です。さん» こちらこそ!短編もちょくちょく書けるように頑張る! (2021年4月5日 5時) (レス) id: 8777a98142 (このIDを非表示/違反報告)
律です。(プロフ) - コメントありがとうございます!お互い頑張りましょう (2021年4月4日 15時) (レス) id: 37614e4870 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:都野桜 | 作成日時:2020年12月15日 0時

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