【銀魂】とーまちくい【短編集】

真選組イメージ向上担当【真選組】 ページ11

真選組。


"幕府の犬"、


"税金泥棒"、


"チンピラ警察"。




これらはすべて、彼等を指す言葉である。



『真選組のイメージを向上するために、松平さんから頑張ってって言われました。よろしくです』


「いや、いきなり失礼だな」



目の前で正座している女は真選組の隊服を身に纏い、スンとすかした顔で挨拶した。



『先日の婦女誘拐事件...記事を見させてもらいました。それ以前のやらかし記事も』


寺を破壊した、例の事件。イメージアップのために寺門通を呼んで一日局長をしてもらったにも関わらず、依然として最悪のイメージは拭えていない。


『そこで私が派遣されたわけです。これからは広報担当として、皆さんの活躍をいい感じに発信するので、ご安心下さい』



松平のとっつぁんの紹介なのは間違いない。
以前はジャーナリストをしていたらしく、その道のプロだ。



「評判が悪いのは俺達の責任だ。自分たちで挽回する、と言いたいところだが」
『無理ですね。地まで落ちた評判はそう簡単には挽回できません。というか今日も沖田さんやらかしてますよね』
「....」


ぐぅの音も出ない。初対面でこんなにはっきり批判した女は初めてだ。


「お前なら、イメージアップできるって言うのかよ...」
『ふふん、なめないでいただきたい』


得意げな顔をして、何やら懐から取り出した。


『あらゆる手段を用いて仕事はこなします！！真選組のイメージアップは必ずやり遂げる！』


突きつけられた手帳には、文字がびっしりと書かれていた。


○月×日、午前１０時１０分頃。真選組局長仕事を放棄し一般女性をストーキング。
同日、午前１１時４０分頃。銀髪の侍と副長が公道で口喧嘩。周りから非難の視線あり。
同日、午後２時半頃。沖田隊長バズーカで店を半壊。
同日午後３時頃。斉藤隊長、和菓子屋の店員とコミュニケーションを取れず。
同日午後５時５０分頃。監察、あんぱんを大量購入で在庫切れにする。


その他、多数...。



「....お願いします」



俺達では無理だ。




＿ 真選組イメージ向上担当 Fin ＿

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