最強チャンピオンの苦悩２ (ページ15)

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師匠の偉大さ　２ページ15

同棲してるようなものって言っても、そもそも付き合ってないしなぁー……。

「違うんだって。
私、昨日の夜多分なにかをやらかしてるんだって」

「どういうことよ？」

「そのー……、キバナさんにキスされたあと、私恥ずかしすぎて飲みかけていたサイコソーダを飲んだつもりなんだけど、かなり動揺してて間違えてキバナさんのお酒を一気飲みしちゃったみたいなんだよね。
そこから一切記憶なくて、朝起きたらキバナさんのベッドでお互い下着だけ身に着けて寝てた……」

―――ブッ！

私の話を聞いて、ルリナは口から飲み物を吹き出しそうになった。
いや、正確に言えば若干出ていたが。

「待った！え！？やったの！？」

「ちょッ！声大きいって！」

「ごめんごめん。で、やったの？」

「覚えてないから逃げるようにルリナのとこに来たんだって……」

「そういうことね……。
腰が痛いとか、お股が痛いとかないの？」

「ないない！強いて言えば頭が痛い」

原因は絶対に間違えて飲んだお酒なんだろうが。
でも、本当に何があって服を着ていなかったのか思い出せない。

「それは、二日酔いよ。
でも、その辺が痛くないなら未遂ね」

「それでも顔合わせづらいよ……」

私はテーブルに突っ伏して項垂れる。
テーブルの冷たさを頬で感じていると、私のスマホロトムがメッセージを受信した。

キバナさんからだ。

『今日の夜、ダンデとネズと飲みに行ってくる。帰り遅くなるし、先に寝てていいからな』

「今日、キバナさん帰り遅いみたい」

私はルリナにスマホロトムの画面を見せる。

「このメッセージのやり取りが、まさしく同棲じゃない」

「そうなのかな？
でも付き合ってないからね」

「あなたたち、進展してるようでしてないものね」

これで本当に付き合ってて、同棲しているカップルなら普通だと思うけど、
私たちは付き合ってもなければ、お互いの気持ちさえ確かめ合っていない。

「でもまぁ、大人しくキバナさんの家に帰るしかないよね……？」

「当たり前でしょ！
Aがキバナと音信不通になってた半年間、本当に大変だったんだから！
毎日のように"Aと連絡が取れないから、連絡ついたら教えてくれ"って。
てか、何で音信不通になってたのよ？」

「それはー……、ルリナに私がキバナさんのこと好きって指摘された後、変に意識しちゃって連絡しなかったんだよね……」

ルリナは呆れて口が半開きになっていた。
そして私はこの後、説教をされたのだった。