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「なんで皆、母様を虐めるのですか」
「爛れた側女だからよ」
「では何故、私を贔屓する?何故嫡男と偽り、迎えた!!」
「正室が術式を継いだ男児を産めなかったからよ」
「ならば加茂家次代当主として」
思考に掠めたのは、母と引き離された子の思い。彼にとって現時点の立ち位置を見直すには必要な物だった。揺らぐ身体を酷使して瞬時に吉野へ殴りかかる。対する吉野はもう一体、澱月を具現させて内部に入りその攻撃を弾いた。打撃が通じない澱月は厄介極まりない。
攻撃が通らない以上、毒を解除させることは出来ず毒により力も尽きていく。舌打ちが漏れるのも仕方在るまい。
「苦しそうですね。僕を気絶させて毒を解除するのが狙いなんでしょうけど、澱月に打撃は通らない。もう視界も霞んでいるんじゃないんですか?」
「、ははっ、甘く見られたものだね。私の攻撃手段がこれだけだと誰が言ったんだ?」
玉のような汗を垂らしながら、構える。毒を食らった時に吐血して服にかかった血液が浮かびあがり円形の輪となった。
「赤血操術 ”
「!!」
「っ吉野!!」
その輪は加茂が腕を振ると手裏剣のように飛んでいき澱月を切り裂いて内部の吉野の腕から出血させるに至った。打撃が効かないならば呪術で。その判断は間違っていない。けれど既に5分が経過し毒が回りきった身体では気絶させる程の致命傷を与えるような位置に当てることは叶わなかった。
それでも、崩れ落ちることは彼の意思が許さない。
「私は、虎杖悠仁を殺すつもりだ」
「っ…!」
「……楽巌寺学長の指示ですか?」
「いや
「伏黒君、君にも…理解できるはずだ」
「(私は加茂家嫡男として振る舞わなければならない。母様のために)」
遂に認めた加茂に吉野は唇を噛みしめる。友達が殺されるのを黙っていられる訳がない。その思いは伏黒も同じだった。代わりに問いかけて、そうしたら同意を求められた。
「君と私は、同類だ」
「そうなの?」
「違います。(急に怖いこと言いだしたな)」
「…違くない」
「違います」
そうなの?、と見てくる吉野の目がちょっと怖いのはご愛敬。味方判定から敵判定になる疑惑の視線であった。澱月の中にいるこの状況は守られているが言い換えれば吉野の手の中である。そのためいつもよりきっぱりと否定。
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ボーダーライン(プロフ) - 久々の更新で長らくお待たせいたしました!私生活が立て込んでましてね…でもこれからはバンバン更新していきたいと思います!!骨マニアと女王様のコンビ、良いですよねぇ。ここだけの話、続編の幕間は女王様を掘り下げようかな、と。コメント有り難うございました!!! (2022年5月24日 17時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
猫さくらもち - あぁ〜〜〜!久しぶりの更新ありがとうございます!!毎日楽しく読ませてもらっています!これからも更新まってます!頑張ってください!ちなみに私は骨マニアと女王様のコンビが好きです!! (2022年5月24日 17時) (レス) id: f692ce80b7 (このIDを非表示/違反報告)
ボーダーライン(プロフ) - 全作!有り難うございます!!骨マニアはキャラ立ちしてるし動かせやすいんですよね。個人的に押してるのもあるんですけどフハハ。女王様も好きだけどキャラが未だに掴めない、正に女王様。これからの活躍も乞うご期待!!更新頑張ります!! (2022年3月2日 13時) (レス) id: 6d6b1b008a (このIDを非表示/違反報告)
はるみん - 全作読ませていただきました‼︎大好きです‼︎今作も骨マニア大活躍ですねw (2022年3月2日 0時) (レス) @page6 id: ab207372ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ボーダーライン | 作成日時:2022年3月1日 11時