続 : ソノ恋依存性ニ注意セヨ。[時透無一郎]

依存性㉟ ページ8

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A「ど、どうぞ……」


霞柱様の御屋敷へ初めて入れてもらい
台所でお皿を借りて盛り付けた後
普段食事を取っているであろう居間に座っている。

目の前に出されたふろふき大根を
無表情のまま眺める霞柱様を見つめながら
口に合わなかったらどうしよう…と
今更ながら心配になって来た。

時『……いただきます』

丁寧に手を合わせ、ふろふき大根を口へ運ぶ。


緊張の余り心拍数が上がって行くのが分かる。


パクっと口に入れた時
微かに表情が柔らかくなった気がした。


時『……美味しい』


ボソッと呟いたその言葉で
もう思い残す事はないんじゃないかと思うくらい
嬉しかった。



時『だから、その変な顔するの辞めてくれない？』


どうやら、また口元が緩んで居たようだ……


A「申し訳ございません…！
嬉しくて……つい……」


謝ってはみたものの、嬉しくて嬉しくて仕方ないのだ。


時『……これ、君が本当に作ったの？』

疑いの目で私を見る霞柱様


A「はいっ！蝶屋敷で大根を頂いたので
霞柱様に食べてもらいたくて…！」

そう伝えると“ふーん”と呟いた後に

時『……君、継子にして欲しいんだっけ？』

と首を傾げた。


A「そうです…っ！」


遂に霞柱様の口から継子と言う言葉が出た。

これはもしや作戦成功したのでは……？！


時『継子はめんどくさいから嫌だ』


とその期待は裏切られた。




そう思って明らかにへこんでいると




“だけど…




稽古なら付けてあげても良いよ”




と無表情ではあるものの確かにそう言ったのだ。




……え、もしかして…



作戦成功……？？？

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