第九十四訓 家族のありがたみは当たり前でなかなか気づかない ページ47
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土「バカかてめぇはっ！」
沖田と一緒に屯所に帰ってきたAは近藤と土方が待つ部屋へと入る
入った瞬間Aの肩のケガを見た土方が大声をあげAの元へと飛んできて胸ぐらを掴む
土方の怒鳴り声に慣れているAは“うるさいなー”と言う程度にしか思っていないため怪訝な顔をするくらいで平然としている
近「まぁトシ落ち着け。Aが無事だっただけいいじゃねぇか。」
土「よくねぇ！なんで一人で行った？そのケガはなんだ？！」
『総悟が時間になっても来なかったので。このケガは新八くんを辻斬りから助けた時にうっかり。』
沖「俺はちゃんと20時に門の前に居やしたぜ。Aが来ねぇから一人で行ったらケガしたあんたを見つけたんでさぁ。」
『あれ…集合って19時じゃなかったっけ？』
土「ふざけんな！お前がちゃんと聞いてねぇからこんな事になるんだろ！」
『さっきからなんなんですか？！そりゃ私もいけない所がありますけど辻斬りから市民守ったし、そのおかげで辻斬りの正体がわかったじゃないですか！
少しは褒めてくれてもいいんじゃないんですか？！』
土「褒められてぇなら日頃の行いから見直すんだな！」
『もういい！トシなんか嫌いっ！鬼！コレステロールの鬼！』
土「おいっ！話はまだ終わってねぇぞ！」
胸ぐらを掴む土方の手を払いのけAは部屋から出ていく
沖「あーあ。これだから堅物は嫌われるんでさぁ。」
土「うるせぇ！」
近「あっ！トシ…。」
自分でもわかっていたことを総悟に言われ
余計に腹が立ち土方もその場を去っていく
近「トシの優しさなんだがな…不器用が故にか。」
沖「土方さんが不器用な事くらいAもわかってまさぁ。ただ今日はあの日でイライラしていただけでぃ。」
近「ハハッ！そうだな。」
沖「何年一緒に居ると思ってんですか。」
近「うん…総悟の言う通りだ！家族は言わずしても分かり合えるもんだ。総悟すまんが…」
沖「Aの様子を見て来いですよね？昔から俺の役目なんで言われなくても行きまさぁ。」
近「すまんな…頼んだ。」
沖「へいへい。」
気だるそうに部屋を出ていく総悟
そんな背中はどこか自分の役目に嬉しそうにしている様にも見える
近「家族はいいもんだな。それにしても……人斬り似蔵に妖刀とは少しやっかいだな。Aや万事屋でも歯が立たねぇとは…。」
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第九十五訓 飼い犬の躾は飼い主の義務→←第九十三訓 サド王子取り扱い説明書･自分の玩具を壊されるとブチ切れます
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作者名：gin-ruka
| 作成日時：2019年8月29日 23時
