Story 3 ページ4
兄さんを置いて校門をくぐり、教室に向かう
いつもより10分も遅い…
この時間だと絶対人いるじゃん…
ドアを開けると＿＿
『良かった…誰もいな』
？「俺いるんだけど」
＿＿国見くん、バレー部のクラスメイトがいた
中学の途中から一緒なんだけど…
何を考えているのか、全くわからないし
同じクラスになっても話したことなかったのに
国「及川ってさ、及川さんの妹だよね」
きっと“及川”は私のことで、“及川さん”は兄さんのこと
でも周りの人に言ったことはないし、
苗字が偶然被ったってことにしてるんだけど…
『なんで、そう思うの…？』
国「顔が少し似てる、あと及川さんが言ってきて…」
兄さんと顔が似てる…！？
初めて言われたんだけど…
国「部活中、AがAが〜ってうるさくて」
兄さん、本当何してるの！？
一くんもいるなら、止めてくれても良かったじゃん！
部活中はちゃんとバレーしとけ、バカ！
あ、終わった…
国見くんが周りに暴露したら、私の終わりだ…
国「別に言うつもりはないから」
朝から、なんでみんなエスパーなの！？
兄さんも国見くんもなんで考えてることわかるの…？
国「その代わりさ、マネージャーやってくれない？」
『えっと…』
国「及川さんがうるさいから、と下心ないでしょ」
『…マネージャー何日間やったら良いの？』
バレーは嫌いだし、兄さんは鬱陶しいけど
でも部活中、メンバーに迷惑かける人は許せないし
国「夏休みに合同合宿があるんだけどさ」
『それに参加しろ、と？』
国「マネいないと他校に迷惑かかるんだよね」
…なんかさ、“迷惑”って言葉すごく強調してない？
なんで私がその言葉に弱いこと知ってるの！？
じゃあ詳しいことは連絡するから、と
国見くんはスマホを取り出して友達に追加する
兄さんさえも交換していなかったのに、1人友達が増える
スマホを返された時に、
他のクラスメイトも教室に入ってきた
良かった…ギリギリだった…
国見くんもクラスでそこそこ人気だし、
そんな人と話していたとなったら…
あぁ、考えただけでもゾッとする
ピロンッ
英届いてる?
可愛いスタンプと共に送られてきた
ちょっと気怠そうな顔が国見くんに似てる…
A届いてるよ
両親以外に連絡するのは初めてで、
あ、いや…初めてではないけど…
ほぼ初めてだったから、すごく嬉しい
その後も国見くんは私に気を遣ったのか、
ずっとスマホを通して連絡事項を教えてくれた
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作者名：梨羽 | 作成日時：2024年1月9日 19時
