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『……で、アイツなんで真選組辞めたの』
団子屋のババアを手伝うAを横目に映してから沖田に向き直って聞く
こいつは団子一粒を惜しげもなく一口で食べ、飲み込んでから質問に答えた
『アイツの姉ちゃんだとかいうやつが代わりに働くことになったんでさァ
そうなった経緯は知りやせんけど』
『ふうん、姉ちゃんねェ……』
Aが近付いて来たため、そこで口を閉じる。それに違和感を感じたのか、俺たちを交互に見た
『なんの話ですか?』
何も言わずに小首だけ軽く傾げたが、彼女は気に食わなかったようで唇を尖らせる
『なんで私を除け者にして二人で話してるんですか!
獣は居るけど除け者は居ないはずですよね!?』
『わー!お前はバカなフレンズなんだね!
……じゃねーよ!!バカリパークにぶん投げてやろうか!?あ!?』
胸ぐらを掴む勢いで見下ろせば、Aは少し怯んだような顔をして後ずさる
さらに追い討ちをかけたのは、俺ではなくサド皇子であった
『旦那ァ、こいつはサバンナなんかより檻の中で見世物になってた方がお似合いですぜ
だよなァ?サーブスキャット』
『いや、それもうブスなのかサーバルなのかも分からないんですけど』
ぶつぶつと呟くAは沖田の傍に湯呑みを置く。あれ、俺の時はくれなかったよね?差別?
俺にも寄越せと開こうとした口は、Aの顔を見ると自然に閉じてしまう
歳頃の女みてーな顔して笑う姿は、ちったァ可愛げがあんじゃねーか。
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ミズキ - ハル(6/17)さん» そうだったんですか!私は基本ハッピーエンド派なんですが、このミスター・グルービーだけは例外に、切ない終わり方も良いな、と思えてしまうので、ハッピーエンドもメリーエンドもどちらも捨てがたいです・・・!ただ一つ言える事は、どっちでもこの作品大好きです! (2018年4月27日 15時) (レス) id: d90ef8a117 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(6/17)(プロフ) - ミズキさん» どちらにも取れるように書きました。読者の皆さんが、この二人の未来がこれからどうなったのか、そんな十人十色の妄想が生まれるように、あの一文だけ書きました。ミズキさんの思う未来の二人にしてあげてください( ´ ∀`) (2018年4月27日 14時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(6/17)(プロフ) - ゆうかさん» うわ〜〜〜! 嬉しいです!! ありがとうございます( ´ ∀`) 私もこの作品にはとても思い入れがあるので、大好きだと言ってくださりありがとうございます。これからもゆうかさんが何度も読み返したくなるような作品を書いていきたいと思いますので、よろしくどうぞ。 (2018年4月27日 14時) (レス) id: 0297264441 (このIDを非表示/違反報告)
ミズキ - 質問なんですが、これずっと沖田は夢主の幸せの為手を引いて、夢主は呉服屋の跡取りと結婚したとばかり思っていたのですが、これもしかして夢主は沖田と結婚した可能性もあるんですか? (2018年4月27日 7時) (レス) id: d90ef8a117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 別のホームページでも今ハルさんの作品を読ませて頂いていますが、この作品が本当に大好きです。何回も読んでいるのに毎回最後は泣けてきて息が苦しくなります(笑)悲しくなるのにまた読みたくなるんです。素敵な作品をたくさんありがとうございます。 (2018年4月9日 2時) (レス) id: baf03f21d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年5月3日 15時