【銀魂】ミスター・クレイジー〔沖田〕

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『どうぞ、お茶です』


私の書いた書類に目を落としている彼は、空返事でお茶をすする


『……沖田さん、人間の急所ってどこなんですか？』

『急所？』


いきなり何だと言いたげな目を向けられたが、悟られたくなくて、テキトーにタンスの角に小指をぶつけた話をする

彼はそれを詰まらなさそうに聞き、眉を寄せた


『沖田さんが敵と対峙した時、直ぐに倒さなければならないこともあるでしょう？』

『そりゃァ、多勢に無勢だったら一発で仕留めてェが、俺は甚振るのも好きなんでね』


彼の口角は上がっているが、私は呆れて物も言えない



『急所なんて、人間色んなとこにあらァ

弁慶の泣き所って言われてる脛に顎や鳩尾。耳の後ろだって急所なんだよ

相手が男なら、喉仏や金的だな』


最後の情報は口に出して欲しくなかったし、彼が急所について語ると何となく他の意味にも聞こえてしまう



『だが、俺が言ってるのはあくまで白線での話だ。

銃となりゃ、心臓よりもこめかみや鼻を撃っちまえばいいが、剣はまた別でィ』


彼の話の続きを急かすように、傍に座る。沖田さんは再び湯呑みに口を付け、半分ほど飲み干した



『斬撃なら相手の動きを無力化できる。あと、出血でじわじわ殺りてェならな。

相手を直ぐに仕留めてェ時は、刺突が一番でさァ』


へえ、としか口から出ない。自分の身体が震え始めたのが分かる。

人一人の命の重さと儚さに向き合っているようで、私には荷が重かった

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