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特に彼女がこの法を作ったことには問題ない。どれも護るには難しいという物ではないからだ。
苫野は「でも」と再び声を発し、俺らの視線を集める
『塩分、糖分、脂肪分の取りすぎ。まだ若い方もいらっしゃいますが将来ぶち当たるであろうコレステロール、血糖値そして血圧の壁
内臓脂肪でみっともないお腹を世に晒さないでください』
俺の方を矢鱈に見てくるのは気のせいだと思いたい。他の奴らは揃って自分の腹回りを撫でるように触っていた
『みなさんの健康の為を思って料理を作っていることを、お忘れなきようお願いしますね?』
最後は強調するかのように小首を傾げる。苫野は食堂法度の書かれた紙を壁に真っ直ぐに貼った。こういうところにも、彼女の性格が滲み出ている
近藤さんは苫野が真選組に慣れてきているのが目に見えて分かったようで機嫌よく、いつもより大きな声でいただきますと言った。
一部の隊士たちは苦笑を浮かべ、静かに噛み締めながら食べる。苫野は見回すように顔を動かし、満足そうな笑みを見せた。
『ありゃ勝てねーわ』
誰かの呟いた声におそらく皆、心ん中で頷いたことだろう
『ところで土方さん』
しまった、と身構える。身体に力が入り、握っているマヨネーズは今か今かと白い曲線美を入り口から覗かせていた
彼女はニコニコと不気味な笑みを携え、俺にスキップ混じりで近付いてくる。その様子、まるで悪魔…いや、堕天使のように表向きの顔が良い
『マヨネーズは、1日15グラムにしましょう』
『お前…俺を殺す気か?』
『そんなことで人は死にません。』
俺からマヨネーズを取り上げ、小皿に押し出す。15グラムとは、こんなに少ないものなのか
もっとだろうと彼女に視線を送るが、黙って首を振る。
『だいたいサラダにはもう和風の味付けがされてますし、焼きそばにだってかけなくても良いじゃないですか』
「本当に貴方があの金科玉条のような局中法度を作ったのか」と疑いの目を向けられるが、全くもって遺憾である。それとマヨネーズは一切関係ないのだ
『お前なァ、マヨネーズはイエス・キリストが…』
マヨネーズの起源について説明しようとするも耳を塞がれ何処かへ行ってしまう。ついでにマヨネーズの本体まで持って行かれ、俺の掌は虚しくも空気を掴む
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ハル(プロフ) - ヤミーさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いしますね! (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2c6d364f0d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - リタさん» ヤバイ人からコメント来ちゃったと思ったんですが、貴方でしたか笑笑 また書き始めてるなら教えてくださいね、鹿たん笑笑 コメントありがとう (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2c6d364f0d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - pumpアミーゴさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2c6d364f0d (このIDを非表示/違反報告)
ヤミー - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2017年4月2日 19時) (レス) id: f707c0d1ab (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 新作おめでとうございます!とっても面白いです!いつも陰ながらひっそり……陰ながらでもないけど、ひっそり応援させてもらっています。ハーちゅわん大好きです。これからも大好きです。笑笑更新頑張ってください((はぁと。笑 (2017年3月31日 14時) (レス) id: 5e2871c323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2017年3月25日 11時