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『おはようございます』
まだ眠たげな人もちらほらと居る朝。見廻りだった人もおり、その人達は大分お腹を空かせてたのかご飯を大きく頬張っていた
今日も昨日と同じくらい気持ちのいい天気で、お洗濯日和。真選組の庭にも、洗濯物が大量に干されている
真白なタオルが春風になびいてもうすぐ訪れる夏の涼を感じ、温かな日差しを浴びている花々は朝露に濡れてきらきらと輝きを放っていた
『山崎さんの姿が見えませんが…彼は?』
『山崎?えーっと、アイツは…』
何だっけと隣にいる隊士に声を掛けたが、彼も分からないようで、伝言ゲームのように続いていく。誰も山崎さんの行方を知らなかった
どうやら、彼は影が薄いのかもしれない。
『山崎なら泊まり込みの仕事だ』
明後日まで帰らないと言い、食器を片付ける。土方さんにそう教えてもらったのはいいが、今日の買い物を付き合ってくれそうな頼みの綱が消えたというわけだ
皆食べ終わり、続々と食堂を出て行く。最後に残った1人に頼もうとするも、その人物には到底頼みたくはなかった
『茶』
『…はい』
沖田さんは私に湯呑みを突き出しもせず、テーブルに置いたままである。彼に頼むべきか否か考えながら淹れたが、湯呑みから溢れそうになってしまった
『すみません。気をつけて飲んでください』
静かに持ち上げようとしたが、揺れて数的彼の手にかかってしまう。彼は顔を歪めて、縁から少し離れた程度まで飲んだ
『あちィ』
『大丈夫ですか?』
濡らしたタオルを渡すも、別にいいと押し戻される。余計に頼みづらくなり、浅い息が口から漏れた
『人の前で溜め息吐くんじゃねェよ』
『…あ、ごめんなさい』
彼が優しい人なら、この後は「何かあったの?」と聞いてくれるが、恐らくそんな都合の良い展開は期待できない
彼をその気にさせるには、利害の一致…所謂彼にとって都合の良いことではないとダメだ。しかし、私が彼の特になるようなこと……待てよ、一つある
『沖田さん』
『何でィ』
『沖田さんの仕事、私に出来るものはお手伝いしましょうか?』
彼の目が、たちまち疑いの目に変わった。無理もない。何を持ちかけてくるのか警戒しているのだろう
『…それ、お前に何か特でもあんのかィ』
金はやらねーぞ、と口を固く結ぶ。私の目的は勿論のことお金ではない
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ハル(プロフ) - ヤミーさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いしますね! (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2c6d364f0d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - リタさん» ヤバイ人からコメント来ちゃったと思ったんですが、貴方でしたか笑笑 また書き始めてるなら教えてくださいね、鹿たん笑笑 コメントありがとう (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2c6d364f0d (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - pumpアミーゴさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年4月4日 15時) (レス) id: 2c6d364f0d (このIDを非表示/違反報告)
ヤミー - 更新頑張ってください!応援してます♪ (2017年4月2日 19時) (レス) id: f707c0d1ab (このIDを非表示/違反報告)
リタ(プロフ) - 新作おめでとうございます!とっても面白いです!いつも陰ながらひっそり……陰ながらでもないけど、ひっそり応援させてもらっています。ハーちゅわん大好きです。これからも大好きです。笑笑更新頑張ってください((はぁと。笑 (2017年3月31日 14時) (レス) id: 5e2871c323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作成日時:2017年3月25日 11時