rain.07 ページ7
無一郎「A?」
無一郎くんの声でハッと我に返る。
さっきまでバスタオルに顔を埋めていたはずの彼は
もう全身を拭き終わっていた。
A「あ、ごめん」
ううん、いいよ。と
ゆっくり首を横に振った彼は、
私が「上がって」と言う前に
当たり前のように靴を揃えて裸足で玄関に立った。
A「今日適当なんだよね」
リビングまでの廊下を
私を先頭に二人で歩きながら
夜ご飯がいつもより適当なことを伝える。
昨日の時点で来るってことがわかってれば
いつもみたいに待ってるんだけど…
なんて、彼がまったく気にしていないことを知りながら
ちょっと言い訳をしてみる。
無一郎「あ、あった」
普段ならこの時間には聞こえないはずの
洗濯機の音が聞こえて、
洗面所からラフな格好をした無一郎くんが出てきた。
僕も食べよーっと、と小さく呟きながら
冷蔵庫を開ける姿を見ると
同棲でもしてるんじゃないか。と思ってしまう
無一郎「いただきます」
事実、彼は一週間の半分を
私の家で過ごしているのだから
ほぼ同棲と言っても過言ではない気がするのだけれど。
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆっくり四つ葉 - 素晴らしい作品をありがとうございます!眼福です! (2020年9月2日 6時) (レス) id: 135b7cf6d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:微力 | 作成日時:2020年6月15日 15時