思い通りにならない彼女【煉獄杏寿郎】其の弐

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何とか着替えさせ部屋へと戻った二人だが____。





『……ありがとう…ございました…

あ、熱い…
…………まだ…お水が…欲しいです……
あと濡れた手ぬぐいも…。

………あとアイスクリームも食べたい…
できれば……いちごのやつ…』





杏寿郎「くそ……、
清々しい程に図々しい…！！」





________



_____



___





『………転がってると食べにくそう…
ちょっと失礼します……』





杏寿郎「おい！！
何をしているんだ！！？



〜っあぁもう！！
ほら！ さっさと口を開けろ！」




起き上がると杏寿郎の膝へとちょこんと乗っかりアイスクリームを指差し口元へと持っていくジェスチャーをするA。
文句を言いながらも、介抱しながら全て用意した杏寿郎はAの口へと雑にアイスを突っ込むと幸せそうにモゴモゴと味わっている。



『……おいひぃ……
お風呂の後の…アイスって………
たまらないです…よね……
これは…譲れなくて……。

…はぁ、幸せ……

……煉獄さん…手が止まってます…
早く食べさせて下さい…
…溶けちゃうので……
お世話はちゃんとして下さい…』




杏寿郎「……不調とは言え腹が立つ。
俺が何故こんな事を…！」





食べ終わらせた頃には体調も戻ってきたAは杏寿郎を見ながらぼんやりとさっきまでの事を思い出していた。




堂々と女湯に入ってたのはどうかと思うけど……
煉獄さんが居て良かった……
危うく茹でダコになるところだった………！
まさに恩人だ…


………それにしても煉獄さんって凄く座り心地が良いのね
こんな特技があったなんてビックリしちゃう…
掛け布団に匹敵する心地良さ…
最後に知れて良かったです…！





杏寿郎( はぁ………疲れる。
やはりとんでもない女だな………
あんな姿を晒しておいて何もされなかった事を感謝してもらいたいものなのだが……！
俺でなければどうするつもりだったんだ…！！？

挙げ句、人の膝に乗っかりアイスクリームを食うだと……！！？
信じられん……

今回の事でつくづく分かったが…
本当にすぐ突拍子もない事をしでかす。


これは思った通り……
絶対に野放しにしてはならない生物だ………。
うむ…間違いないな…)




介抱しながら杏寿郎は改めて決意したのであった。

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