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Side You
まさか家まで来てくれるとは思わなかった。
あまり働かない頭でスマホを見れば確かに数件連絡が来ている。
…正直今日は会いたくなかった。
「…なんかあった？」
気付いてくれちゃうから。
「なんもないよ、ちょっと疲れただけだから」
「あるでしょ、いつもと違うもん」
言えるわけないでしょ。
元カレから連絡来たとか、うるさい人が嫌いとか
賑やかそうな貴方たちがちょっと嫌だったとか
努力家で天才肌のあなたと全然違う釣り合わないんじゃないって考えちゃったとか。
「なんもないよ」
困ったように、そんな優しい目で私を見ないで。
「ねえA」
今だけはお願いだからほっといて。
「なんもないってば！」
思わず語気が強まる。
…怖くて、駿貴さんの顔は見れなかった。
やがて駿貴さんのため息が聞こえる。
「…なんもないならいいよ。
でもなんもないなら、なんもないらしくしててもいいんじゃないの」
優しいけど、呆れたような、困ったような、いつもの優しいだけじゃない声だった。
「…ごめんなさい」
駿貴さんはもう何も言わなかった。
「心配してくれてありがとう、来てくれてありがとう」
やっぱり駿貴さんの顔は見れなかった。
「…でも、なんもないらしくできない、から、今日は、一人にして」
いつの間にか涙が滲む。
声が詰まってしまうのも悟られないようにしたかったけど、
きっと駿貴さんは気づいちゃうよね。
駿貴さんはもう一度ため息を吐いて立ち上がった。
「…ごめん」
駿貴さんは小さくそう言って、そして足音が離れていく。
違うの、駿貴さんが謝ることはなんもないの。私がダメなの。
やっと顔を挙げたときには、ドアが閉まっていくところで、
隙間から駿貴さんの後ろ姿が一瞬だけ見えた。
何も考えたくないし考えられなかった。
最後の駿貴さんの言葉が頭に響く。
…何もないわけじゃないんだよ。
そう言えたらよかったのに、今の私はそれがなにか言える気がしなかったの。
気を抜くとまた頭が痛みだした。…薬飲んでシャワー浴びて寝よう。
コップだけ持ってキッチンに行く。
冷蔵庫を開けると見覚えのないものがいくつかあった。
駿貴さん、買い物をしてきてくれたんだっけ。
スポーツドリンクにゼリー、ヨーグルト。
それから、私がいつか好きっていった麦チョコ。
ごめんね、ありがとう。
落ち着いたらちゃんと謝るから、もう少し時間ください。
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とぉと - いや、みんなして可愛いかよ (2021年5月6日 20時) (
レス) id: 81b7d60823 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 時々繋がりが見えるところ楽しみに読ませていただいてます！体調の方快方に向かっているようでよかったです。更新していただくのとてもとても嬉しいですがどうか油断なさらずご自愛くださいね。返信は不要です。 (2020年6月25日 1時) (レス) id: a2999cd47b (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - Yukiさん» コメントありがとうございます！お気遣いもいただいて嬉しいです…のんびり更新していきますのでゆるくお付き合いいただければと思います。これからもよろしくお願いします！ (2020年6月15日 22時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - いつも潤いをありがとうございます！ご体調の方大丈夫でしょうか？どうかご無理をなさらないでくださいね。気長に楽しみにお待ちしております。 (2020年6月15日 15時) (レス) id: a2999cd47b (このIDを非表示/違反報告)
黄色い恐竜(プロフ) - ゆうかさん» ありがとうございます！ぽちぽち更新していきますのでこれからもよろしくお願いします！ (2020年6月8日 23時) (レス) id: f5683b3f6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄色い恐竜
| 作成日時：2020年5月21日 18時
