あの瞬間に。 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:41,911 hit

04 ページ4

.

「Aちゃん、これとこれだったらどっちがいいかな？」

「えー、どっちでもいいじゃない？安い方にしよ！」

「そうだね、そうしよう」

「あれ、たこ焼きミックスわすれた」

「ねえやばい、それメインだから(笑)とりにいこ」

レジ列から抜けてカートと共に逆走して粉もん系コーナーへやってきた。颯太くんとタコパの買い出しのためにスーパーきたけど･･････絶対人選ミスだとおもう。わたしと颯太くんがたまたま同じ時間に講義が終わって他のみんなはあと1コマ残ってるって言うから買い出し係に就任したわたしたち。

「ねえなんか買い忘れたものないかな？」

「うーん、まあ足りなかったらまた買い出し行こ？」

「そうだね、じゃあレジ行こ」

颯太くんがレッツゴーなんてポーズをしてさっき並んでたレジに再び並ぶ。

「あ、そういえばさ」

「ん？」

「今日深田もくるってよ」

「え？深田くん？なんで？え？へいき？」

「･･･俺から言っていいのかな？」

「ええ(笑)そこまで言うなら聞きたい」

「別れたって」

「･･･ほんと？」

ガチガチ、と口を抑えて颯太くんは言った。俺から聞いた事知らないフリして深田から聞いてあげてね、俺Aちゃんに何も言ってないから(笑)と笑った。

「そっか、でもひさしぶりに6人で集まれるの嬉しいなあ」

「うん俺も、深田の彼女やばかったもんね(笑)」

そう、深田くんの彼女がすごい束縛とか厳しい系で、サークルの飲み会もこなくなったし遊びも誘いにくいし、で全然会えてなかった。前は湧と颯太くんと光輝くんと深田くんとマキちゃんと6人でよく集まってたからうれしい。話しかけちゃだめな感じがして、深田くんの彼女も私とマキちゃんに対して凄い感じだったらなかなか深田くんと話せてない。

だからひさしぶりに、うれしいな、なんて。

「あはは、Aちゃん嬉しそう」

「いやいや、人の不幸を･･･「深田から振ったみたいだから平気じゃん？」

「あ、そうなんだ。」

「なに？狙ってるの？(笑)」

「もうそんなんじゃない(笑)」

「ふふ、はいはい、じゃあ俺袋持つからAちゃん家案内して」

「ええいいの？ありがとね。」

サラッと会計して袋を全部もってくれた颯太くん。
いつもふわふわしてるのに、こういうときはちゃんとしてるなあ、なんてふと思った。

.