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「つーかさ、それこそ赤葦に相談してみたら？」
『赤葦先輩に？』
「木兎のこと、よく見てんのはやっぱ赤葦だと思うし」
光くんの奇行をひとしきり話した木葉くんは、
やけにスッキリした顔でそう言った。
赤葦先輩に相談、と聞いて、そういえばと思い出す。
合宿の後、光くんとのあの一件以来、
放課後に赤葦先輩と会うことがなかった。
放課後図書室に行くまでの、空き教室での時間。
もう習慣みたいなものだったけど、気持ちが落ち着かないこともあって無意識に避けていたというか、なんというか。
別に約束をしていたわけでもないし、
あれから校内で先輩に会った時もその話はしなかったから忘れていた。
『そう、ですね。
赤葦先輩に、また相談してみます』
「おう」
お互いお昼ご飯を食べずに来ていたからそろそろ引き上げよう、と揃って図書室を出る。
隣を歩く木葉くんの手元にある、やっぱり難しそうな本をぼんやり眺める。
赤葦先輩も、よく難しそうな本を持っていたっけ。
もう一度ちゃんとお願いし直さなきゃ相談って難しいよなぁと考えていると、ゴホン、と横から大きな音。
その、やけにわざとらしい咳ばらいは、もちろん木葉くんのもので。
パチリ、と目が合うと、それをそらしてから口を開いた。
「言っとくけど俺は、いつまででもAちゃんの相談に付き合うから」
『…え？』
「…っほら、さっさと飯食わねぇと昼休み終わる！」
まるで何でもないかのように、スッと逃げるようにして歩きを早める木葉くんを呆然と見つめる。
今のはもしかしなくても、さっきのわたしへの…
『っ木葉くん！ありがとう！』
少し前を歩く木葉くんは、それに片手だけ上げて返してくれた。
木葉くんの耳はやっぱりちょっと赤くて。
前に雪絵先輩が言ってた、木葉くんはかっこつけたがるってやつだと思うと何だか面白かった。
.
「なー、サル」
「うん？木葉どこ行ってたの？
昼休みもうすぐ終わるよ」
「ちょっと野暮用。
つーか俺、やっぱ赤葦もよくわかんねぇわ」
「赤葦？」
「そ。相談相手とか、進んで地獄に行くようなもんじゃん。訳わかんねぇんだけど」
「あ〜、木兎に憧れちゃうようなヤツだからね。
というか何のこと？」
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さら(プロフ) - 登場人物の心情や状況を色々な方法で表しておられ、こだわりを感じました。特に浴衣の色の対比にグッと来ました。主人公も赤葦のそういう真っ直ぐなところにやられたんだろうなぁ、と、結婚式までのお話も読んでみたくなりました！素敵な作品をありがとうございました！ (2月21日 18時) (
レス) @page40 id: 3384d29a03 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - Renaさん» Renaさん！最後まで読んでいただきありがとうございます！このお話が最高だなんて…初めての完結作品だったのでたくさん読んでいただき本当に嬉しいです。ありがとうございます！！ (2023年1月22日 22時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
Rena(プロフ) - 完結おめでとうございます！この小説見つけてから毎日毎日ケータイに穴が開くぐらいまで読んで、たくさん笑って、泣いて、最高の小説でした、こんな最高な小説を作ってくれて、完結してくれて、ありがとうございました、完結するのはとっても悲しいですけど嬉しいです、 (2023年1月21日 19時) (レス) @page40 id: 89e66a43fb (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - マロさん» 最後まで読んでいただきありがとうございます！温かいコメント、とても嬉しかったです。これからマロさんのコメントなしでどうすればいいんだァアアア！！ (2023年1月21日 11時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
マロ(プロフ) - 完結ありがとうございます！そしてお疲れ様でした。毎日更新をとても楽しみにしていました。これからなにを楽しみにやっていけばいいんだァァァァア｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2023年1月20日 20時) (レス) @page35 id: 608bd786c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2023年1月7日 11時
