番外編 _ お正月�� ページ41
一瞬、しょぼくれてたのが嘘みたい。
お言葉に甘えようとベンチに座り直していると、頭上から、あ、と小さな声が聞こえた。
「君、さっきの」
『あ…、先ほどぶりです』
「木兎は？一緒じゃないの？」
『今、甘酒を…』
光くんのお友達2人のうち、黒髪の人だけ。
自己紹介なんてされてなかったよな、と急いで記憶を辿る。
そんなわたしを気にすることもなく、甘酒？と首を傾けた彼は、そのままそこで足を止めた。
「Aちゃん、だよね？」
『え、どうして名前…』
「あ、やっぱり？当たった」
質問の答えがこないまま、光くんより少し低い笑い声が響いた。
カラリと笑うその姿が、光くんに似ていないようでどこか似てる。
やっぱり自己紹介されたかな、と再度頭を働かせてみるけど、結果は同じだった。
「俺、木兎と中学からクラス一緒でさ。
アイツからよく聞いてたけど、まさかAちゃんにここで会えると思わなかった」
『よく、聞いてる？』
「ハハッ、君の話だよ。前から聞いてたけど、特に最近増えたかなぁ。
そうそう、さっき絵馬んとこでもさ…」
思っていたより、よく話す人だった。
光くんと、わたしと同じ丑三中に通ってた、今は光くんと梟谷に通う、光くんの友達。
すぐに、彼の口から出てくる光くん話にすっかり心奪われる。
そういえば、バレー部じゃない光くんの友達から、こうやって話を聞くのなんて初めてな気がする。
全てが新鮮で、知らない光くんを覗き見しているようで、ドキドキして。
いつの間にか戻ってきていた光くんにも、気づかないほどだった。
「A」
『あ、光くん！』
「おー木兎！ちょうど今お前の…」
「うん、俺の、何の話？」
言っていた通り、甘酒片手に戻ってきた光くん。
その目は真っ直ぐに黒髪の彼を向いていて、わたしを見ない。
どこかピリつく空気を破ったのは、そのお友達だった。
「…いや？別になんつーか、世間話みたいなもんだよ。そう怒んなって」
「…そ、ならいんだけど！つーか怒ってねーし！」
すぐに2人共が笑顔になって、空気が緩む。
そのまま二言三言交わして、お友達が去っていく。
去り際には、頑張ってね、と手を振ってくれた。
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
