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『あ、でも』
ん？とその特徴的な頭がぐるん、と振り返る。
光くんよりももう少し高い位置から見下ろされる、この感覚はあまり慣れたものじゃないな、と考える。
そう言えば、数日前に”あの”話をした赤葦先輩は光くんよりももう少し目線が近かった気がする。
赤葦先輩に言われたことが脳裏に浮かぶ。
それから、考えたこと。
そして、出た、結論。
『光くんに、気持ち、伝えようと思います』
「急だね。バレー頑張ってほしいから言わないんじゃなかったっけ？」
『…考えが、変わったんです』
考えたこと。自分で出した結論。
全てを咀嚼して、覚悟を決めるように、それらを口にする。
面白いものを見つけた、とでも言いたげに口角が上がってる黒尾さんだけど、思いのほか淡々と答えてくれた。
変に驚くことも、否定も肯定もない。
この人は、見た目ほどチャラけてないのかもしれない。
木葉くんみたい、と思うと、自然と言葉が続いた。
『今すぐ、告白、は難しいですけれど、今までみたいに気持ちを隠す必要はないのかなって。
いつか、ちゃんと伝えてみたいなって思ったんです』
「そ。ま、いい判断じゃねーの？」
『…そう、ですかね』
黒尾さんが、ひとつ、ぐっと伸びをする。
首をぐるぐると回し、そのまま肩も回すと、ボキボキと骨の鳴る嫌な音が聞こえた。
首だけで振り向いた変な姿勢のまま、背の低いわたしを見てたからだろうと思うと、申し訳なさが込み上げてくる。
そんなことはお構いなし、とでも言うように、今度はしっかり身体ごとわたしを向く。
正面から見えたその真剣な顔に、ちょっと身がすくむ。
「だってアイツ、どう転んだってAちゃんを拒絶することなんか絶対ねーよ」
拒絶。
つい数日前に、わたしが口にした単語なのに、こうして聞くと不思議な感じだった。
あの時わたしが言った”絶対”を、黒尾さんは逆の意味で使ってる。
そのことが、それだけのことが、ただ嬉しい。
そう思えるのも、きっと、彼のおかげなんだと思う。
「えー、何笑ってんすかオジョーさん」
『いや、赤葦先輩と同じこと言うなぁって』
「…赤葦と？」
『光くんの周りは、素敵な人でいっぱいですね』
光くんは、本当に素敵な人達に囲まれてる。
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
