番外編 _ お正月�� ページ39
お正月。1年の始まり。
お年玉をもらって、ごちそうに囲まれて、幸せがあふれるのが例年だったけど。
高校受験を目前に控えたわたしにとって、
今年のお正月はつかの間の休息でもある。
「Aー！こっちこっち！」
『光くん！』
「今年もAが一番だな！」
『へへ…あけましておめでとう！光くん！』
「おう！A、今年もよろしくな！」
新年一発目の光くんの笑顔も眩しい。
毎年恒例の、光くんとの初詣。
12月に入った頃からずっと、勉強が嫌になる度に何度この日を妄想…いや、想像して糧にしたか数え切れない。
「お！A！わたあめある！」
『光くん！こっちにたこ焼きもある！』
「でもやっぱ山田のおっちゃんの焼きそばも食いてーよなぁ」
『もういっそ、全部食べちゃう！？』
「やっぱそうか！？」
そんな感動を噛みしめるのもそこそこに、初詣ならではの空気に上がるテンションが止まらない。
結局、参道を歩くだけで何分かかったのか。
たい焼きを買って、毎年買ってる焼きそばの屋台で顔見知りのおじさんに挨拶をしたところで、残りは帰りに、と歩みを進めた。
でも近所で有名な、規模が大きなこの神社では、そうすんなり進めるはずもなく。
「お！木兎じゃん！あけおめー！」
「おお！お前らも来てたんだな！」
「正月から木兎に会うとか、今年もイカれた1年になりそうだなぁ」
「ああ！？どういう意味だ！」
「ハハッ、冗談だって！つーか木兎お前一人？
正月は予定あるっつってなかっ、た…って」
光くんの蔭に隠れていたつもりが、見事に目が合ってしまった。
茶髪と黒髪、2人組の男の人。
流れ的に、光くんの同級生みたい。
見たことないからバレー部じゃないはずだけど。
「あー、悪い。ツレいた？」
「え！かわいいじゃん！何だよ木兎！」
『…は、じめまして。丑三中のAといいます』
「え、中学生！？」
「まじかよ、木兎、中学生って…」
「ふふん！いいだろ！俺の幼なじみ！」
木葉くんや小見くん、猿くん、鷲尾くんとはまた違った空気感に身がすくむ。
でも光くんが、堂々と、まるで自慢話をするかのように胸を張ってみせるものだから。
それだけで嬉しくなってしまう。
じゃあまた！と、話もほどほどに切り上げた光くんと参拝客の多さに一緒に驚いて、長蛇の列に並んで。
無事に参拝を終える頃には、受験のことなんてすっかり頭から抜けていた気がする。
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
