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(赤葦side)
歯車が狂い出したのは、多分体育館の近くで座り込む彼女を偶然見つけた時。
偶然、なんて言い方はおかしいけれど。
あの時、俺は確かに彼女を追って体育館を出た。
いつもの練習後の自主練。
準備をする木兎さんにわざわざ断りを入れて、俺の動向を気にする木兎さんに目的を濁して伝えて、
それから一人で彼女の後を追った。
思えば、これが俺の最大のミスだった。
そこで見つけた彼女の話は、正直よく読めなかったけど。
木兎さんを想う気持ちだけは痛いほど伝わってきた。
それに胸が痛んだ気がしたけど、
この時はまだ押し込めると思っていた。
しばらくして元気を取り戻した彼女を、木兎さんのもとに送り出して、彼女が走り出す。
その姿を見た時だった。
初めて、女性を綺麗だと思った。
木兎さんを想って走るその姿が、綺麗だと思った。
振り向いてお礼を言う姿に、
力を入れていた表情筋が自然と緩んでしまった。
そして今、体育館で。
木兎さんに喰われる勢いで迫られて、
その白い頬を赤く染める彼女に。
木兎さんを想って一喜一憂する彼女に。
どうしようもないほどの愛しさを自覚した。
まだ彼女に会ったことのない去年。
木兎さんの話から、なぜか親近感を抱くようになった。
彼女に実際に会って、その一挙手一投足に、やけに気を引かれるようになった。
でも、理由がわからなかったのに。
わからないから、押し込めると思っていたのに。
その理由も、今、理解してしまった。
自分の敏感さが、つくづく嫌になる。
セッターとしては誇るべきであろうこの鋭さも、こういう時には邪魔くさい。
木兎さんを好きだと想う。
俺はその彼女が、輝かしいと思ったんだ。
木兎さんを輝かしいと思うからこそ。
その木兎さんに惹かれていて、木兎さんの横にいて、尚も輝く彼女を、綺麗だと思ったんだ。
今、はっきりとわかってしまった。
「…木兎さんの、大事な子、だぞ」
俺は、Aさんがほしい。
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
