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きっと、赤葦先輩は聞いてくれる。
そんな都合のいいことを思い描くと、自然と口が動いた。
『あの』
「うん」
『…赤葦先輩は、光くんと一緒にいて、
怖くなったことってありますか？』
すがる気持ちもあった気がする。
光くんと一緒にいることの多い赤葦先輩。
わたしと同じように、光くんの横にいて、
光くんのことが好きな先輩なら。
何か答えを持ってるかもしれない。
そんな期待をしていた。
赤葦先輩は少しの間、質問の意図を考えるかのように首を傾けてから。
「…木兎さんが怖いの？」
『あ、いや、そうじゃないんですけれど…』
確かに。
今のだけ聞いたら光くんを怖がってるみたいだった、
と代わりの言葉を探すけど。
今の自分の気持ちを、
何て言ったらいいのかわからない。
光くんを、遠くに感じてしまった。
自分との違いを改めて感じて、横にいることが怖くなってしまった。
でも、それだけじゃ言い表せない気がする。
尊敬、憧れだけじゃなくて。
寂しさだけでもないような気がして。
上手く言葉に出来ない。
黙ったわたしを見て、
赤葦先輩はそのまま口を開いた。
「木兎さんみたいなスター選手と一緒にプレーが出来て、光栄だとは常々思うよ」
『…』
「でも、俺は木兎さんみたいには出来ないし、高校卒業した先もバレーを続けていくかなんて考えてないし。全部を木兎さんと同じように見ることは出来ない、とも思うかな」
『…そしたら、！』
「でも、そうじゃないから」
どこまでも輝く光くんの横で。
光くんとは違う自分を感じて。
赤葦先輩もそうなんだ、と思って。
わたしが知りたかったことに近づいた気がして。
思わず顔を上げた先。
強い意志の宿った瞳に。
力強い、声に。
喉元まで出かかった言葉を飲みこんでしまった。
「木兎さんはたとえ10年先を、もっと先の未来を見ていたとしても、今その瞬間瞬間は目の前のことに全力な人だから」
『…目の前のこと』
「その、目の前のことを追うくらいなら、俺も一緒に出来る、って気づいたんだよね」
強い、真っ直ぐな声。
それでいて、どこまでも穏やかな声。
「それに」
赤葦先輩が、短く息を吸う。
その音だけが、やけに大きく響いた。
「木兎さんがその瞬間瞬間で、Aさんを見落とすことなんてないと思うけど」
『…それは、』
「だって」
「木兎さんは、スターだからね」
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さな(プロフ) - ごんすけさん» 嬉しすぎますありがとうございます！励みになります✨ (2022年12月18日 19時) (
レス) @page25 id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
ごんすけ(プロフ) - 大好きですありがとうございます(語彙力の消失) (2022年12月18日 16時) (レス) @page23 id: 62f4ed090e (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - りるるさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！今後も楽しんでいただけたら嬉しいです🧡 (2022年12月18日 15時) (レス) id: ee78dfa46a (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 好きです‼︎💕 (2022年12月15日 16時) (レス) @page2 id: 6abbd94f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さな | 作成日時：2022年11月30日 21時
